本文へスキップ

樹木シリーズ117 ホツツジ、ミヤマホツツジ

INDEX ホツツジ、ミヤマホツツジ
  • 花が上向きに穂のようになって咲くホツツジ(穂躑躅、ツツジ科)

     日当たりの良い山地に生える。よく枝分かれし、高さ1~2mの落葉低木。葉は、倒卵形で先がとがる。8~10月、枝先に円錐花序をだし、淡紅白色の花が穂状につき、花柱は花の外に真っすぐ長く突き出る。全木が毒で花蜜にも毒がある。誤食すると、嘔気、頭痛、発汗、酩酊昏睡、痙攣などを引き起こす。秋、赤く紅葉する。北海道南部、本州、四国、九州に分布。よく似たミヤマホツツジは、高山の日当たりの良い所に生える。
▲ホツツジ  ▲ミヤマホツツジ
  • 見分け方・・・花柱で見分ける。ホツツジの花柱は細くまっすぐに長く突き出るが、ミヤマホツツジは太く上に曲がる。 
  • 名前の由来・・・花が穂状につくことから、「穂躑躅」と書く。ミヤマホツツジは、高山に生え、花が穂のようにつくことから、「深山穂躑躅」と書く。 
  • 花期・・・8~9月、高さ1~2m 
  • ・・・葉は互生し、枝先に数個集まってつく。倒卵円形で先は尖り、両面の主脈に毛がある。縁は全縁で少し波打つ。 
  • ・・・枝先に円錐花序を直立し、淡紅色を帯びた花を多数咲かせる。花冠は3個の裂片に分かれ、先は反り返る。雄しべは6個で白く扁平。花柱は花の外に真っすぐ長く突き出る。 
  • 蒴果・・・偏球形で、ガクとの間に約1mmの柄がある。 
  • 分布域が広い・・・ミヤマホツツジは分布域が狭いが、ホツツジはかなり広い場所に分布し高山帯にも生えている。 
  • 紅葉・・・赤く紅葉する
ミヤマホツツジ
  • 高山に生えるミヤマホツツジ(深山穂躑躅、ツツジ科)

     高山の日当たりの良い所に生える落葉低木。よく分枝し、若い枝は赤褐色を帯びる。夏、枝先に総状花序をだし、白い花が3~8個咲く。花は開くと、花びらが後ろに反り返り、花柱は前に突きだし、先が上に強く曲がる。よく似たホツツジは、花柱がほとんど曲がらないことで区別できる。花粉や葉には有毒成分を含むので注意。北海道、本州の中部地方以北、蒜山、大山の亜高山帯 ~高山帯に分布。 
  • 花期・・・7~8月、高さ1m 
  • ・・・枝先に総状花序をだし、白い花が3~8個咲く。花冠は3個の裂片に分かれ、先は反り返る。花柱は太く上に曲がる。 
  • ・・・倒卵形で先は丸い。縁は全縁で、微毛がある。 
  • 蒴果・・・偏球形で、ガクとの間に柄がない。
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
  • 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)