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樹木シリーズ118 ノムラカエデ、ベニシダレ

INDEX ノムラカエデ、ベニシタセレ・タムケヤマ
  • 一年中赤いノムラカエデ(野村楓、カエデ科)

     江戸時代から知られている品種で、古名をムサシノ(武蔵野)という。オオモミジの園芸品種で、葉が春から秋まで紫紅色を保つ。寒冷地に向く。江戸時代から庭木として使われる。カエデは野生種も多いが、園芸品種も葉の色や形など、様々なものがあり、庭園などによく植えられる。 
  • 名前の由来・・・葉がとても濃い紫色をしていることから、「濃紫(のうむら)」が転じてノムラ(野村)、ノムラカエデ(野村楓)になったと言われている。 
  • 花期・・・4月下旬~5月上旬、大きなものは高さ10mほど 
  • ・・・葉は大きく掌形で7~8裂し、縁には鋸歯がある。
  • ・・・雄花と両性花が混じって咲く雌雄同株。風媒花。 
  • 花よりも葉の美しさを愛でる園芸種。 
  • 春、最も美しい赤色で美しい。特に周囲の新緑に殊の外映える。
  • 地域によっては、夏に緑になる場合もあるらしい。
  • 秋、紫がかった赤色となる。 
  • 翼果・・・風で親木からできるだけ離れた所に運ぶために、翼があるプロペラ型の形状をしている。クルクル回転しながら飛んで落ちる。
  • 樹皮・・・若いうちは暗い紫色、後に灰褐色になる。 
  • 用途・・・庭園樹、公園樹、庭木 
ベニシダレ・タムケヤマ
  • 春から秋まで赤く枝が垂れるベニシダレ(紅枝垂、カエデ科)

     春に出る葉が紅色で、枝が垂れるモミジの総称として「ベニシダレ」と呼ぶ。ヤマモミジの園芸品種で、最も多く植えられているタムケヤマ(手向山)をはじめ数多くの品種がある。タムケヤマの新芽は、紅色で鮮やかだが、開き切ると紫紅色になり、夏はやや紅緑色。庭木に利用されることが多い。 
  • ・・・7~9全裂する。裂片は細く、縁には欠刻状の鋸歯がある。 
  • 樹形・・・枝が丸く弓なりに曲線を描きながら伸びていくのも特徴で、全体的に大きな傘型をしている。この中に子どもたちが入ると、大きなドーム型の隠れ家あるいは雨宿りしているようにも見える。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)