樹木シリーズ149 エンジュ
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- 街路樹として利用されるエンジュ(槐、マメ科)
中国原産のエンジュは、奈良時代に薬用を目的に渡来した外来植物。中国では、古くから並木に用いられていたが、日本でも各地で街路樹に使われている。夏、枝先に淡い黄白色の小さい蝶形花を多数つける。マメ科らしい果実は、種子と種子との間が大きくくびれる。中国では縁起の良い木とされる。生薬名は槐花(かいか)で、止血薬として利用されている。
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- 見分け方・・・ハリエンジュに似ているが、小葉の葉先は尖り、枝にはトゲがなく、花は上向きに咲く点で区別できる。
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- 漢名の由来・・・中国、周の時代は宮廷の庭に植え、朝廷の最高位にある三公(さんこう)はこれに向かって座したと言われる。各家でも、子が成長して高位につけることを願って屋敷内に植える縁起の良い木とされる。三公は三塊(さんかい)といい、大臣のことを槐位(かいい)といった。だから、漢名は「槐」。
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- 葉・・・奇数羽状複葉で互生する。小葉は、卵形で、表面は深緑色、裏面は緑白色。
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- ウラギンシジミの食草(写真は幼虫)・・・クズ、フジ、エンジュ、ハリエンジュなどのマメ科植物。
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- 花・・・枝先に淡い黄白色の小さい蝶形花を多数つけるが、やや地味な印象を受ける。
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- 樹皮・・・縦に裂けるが、ニセアカシアよりも浅く細く裂ける。内樹皮は、黄色で独特の臭気がある。
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- 豆果・・・マメ科らしい果実は、種子と種子の間が大きくくびれ、緑のアクセサリーのように美しい。
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- 生薬「槐花(かいか)」・・・ツボミを乾燥させたものは、槐花(かいか)という。花のツボミにはルチンを多く含み、止血薬として利用されるほか、サプリメントとしても利用されている。
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- 利用・・・中国では古くから並木に用いられている。日本でも各地で街路樹に使われている。
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- 材の利用・・・木質は固く、釿(ちょうな)の柄として用いられる。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
- 「森の花を楽しむ101のヒント」(日本森林技術協会編、東京書籍)
- 「樹木と木材の図鑑 日本の有用種101」(創元社)
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