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樹木シリーズ150 ツタウルシ

  • 絶対に触ってはいけないツタウルシ(蔦漆、ウルシ科)

     樹液にかぶれ成分を含み、その威力はウルシ科の中で最強と言われている。見分け方は、ウルシ属で唯一、小葉が3枚の3出複葉であること。そんなツル性の植物を見つけたら、近づかないことが肝要である。山地に生え、茎から気根を出して木や岩を這い上る。 
▲ツタウルシ ▲ツタ
  • 見分け方・・・ツタとツタウルシはよく似ている。ツタの葉は浅く3裂するが、ツタウルシは全縁なので簡単に区別できる。ただし幼木の葉はツタに似た粗い鋸歯があるので紛らわしい。ツタウルシは、必ず3出複葉だが、ツタはそうではないので、小葉の数を数えて3枚でなければツタである。 
  • 名前の由来・・・ツタに似たウルシだから、「蔦漆」と書く。 
  • 花期・・・5~6月 
  • ・・・三出複葉で、小葉は普通全縁。
  • 幼木の葉に注意・・・幼木の葉にはツタに似た粗い鋸歯があるので注意。
  • かぶれ成分・・・樹液にウルシオールとラッコ―ルいう有毒成分を持ち合わせ、高木のウルシよりも有毒成分が強い。人によっては、近くを通っただけでかぶれる人もいるので注意が必要。 
  • ・・・葉腋に円錐花序を出し、黄緑色の目立たない花を開く。雌雄異株。 
  • 核果・・・直径5~6mmの偏球形で、縦に筋がある。 
  • 紅葉・・・秋、いち早く紅葉して美しい。木々を這い上り、幹全体を真っ赤に染めるので、遠くからでもよく目立つ 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
  • 「樹木観察ハンドブック 山歩き編」(松倉一夫、JTBパブリッシング)
  • 「樹木と木材の図鑑 日本の有用種101」(創元社)