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樹木シリーズ125 ミツバツツジ、アケボノツツジ

INDEX ミツバツツジ、アケボノツツジ
  • ツツジ類で一番早く咲くミツバツツジ(三葉躑躅、ツツジ科)

     枝の先に葉が三枚ずつつくのが特徴。秋田市小泉潟公園にある水心苑では一番早く咲いて早春を紅紫色に彩るツツジ。花は、葉に先立って咲く。関東、東海、近畿地方の山地に生える。ミツバツツジの種類は日本に約20種類と多く、関東に多いトウゴクミツバツツジ、関西に多いコバノミツバツツジなどがある。ミツバツツジの雄しべは5本だが、トウゴクミツバツツジなど多くのミツバツツジ類は10本である。ここでは、区別せずに解説する。 
  • 名前の由来・・・葉が枝先に三枚ずつつくツツジであることから、「三葉躑躅」と書く。地域によっては、ムラサキツツジ、イワツツジなどと呼ばれている。 
  • 花期・・・4~5月、高さ1~3m 
  • ・・・葉に先立って枝先に花を1~3個開く。紅紫色で透明感があり美しい。 
  • 雄しべ・・・花冠は漏斗形で、深く5裂して平らに開く。雄しべ5~10本で、長いものは花冠から飛び出る。
  • ・・・葉は菱形状広卵形で、枝先に3枚輪生する。若葉は内側に巻き、両面に腺毛があって粘るが、成葉は無毛
  • 菌根菌と共生・・・強酸性土壌や貧栄養な岩石地でも良好に生育できるのは、「ツツジ型菌根菌」と共生関係を結んでいるから。菌糸の働きでより発達したツツジの毛根になることから、水分やアンモニア態窒素、リン酸の吸収を促進する。その代わり、菌糸はツツジから有機質の栄養をもらう共生関係にある。 
  • 参考:トウゴクミツバツツジ・・・葉と同時に花が開く。雄しべは10本で、長さが不揃い。上側内面に濃色の斑点がある。 
アケボノツツジ
  • 近畿地方から西に多いアケボノツツジ(曙躑躅、ツツジ科)

     近畿地方南部以西の日当たりの良い山地に生える。関東北部などに多いアカヤシオに似ているが、花柄や雄しべに毛がないので区別できる。花は濃い桃色で春に開く。
  • 花期・・・5月、高さ3~6m 
  • ・・・葉に先立って濃い桃色の花をやや下向きに咲く。
  • 花冠は鐘形で5裂する。雄しべは10個、雌しべは1個。花柱と子房は無毛。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社) 
  • 「続・読む植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
  • 「樹木観察ハンドブック 山歩き編」(松倉一夫、JTBパブリッシング)