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樹木シリーズ130 ミヤマヤナギ

  • 高山に生えるヤナギ・ミヤマヤナギ(深山柳、ヤナギ科)

     北海道と本州中部地方以北の山地帯から高山帯の低木林や林縁などに生える落葉低木。別名ミネヤナギ。樹形は環境で大きく変わる。高山では地を這うように横に広がり、低山では直立して高さ5mにもなる。 
  • 名前の由来・・・高山に生えるヤナギの意味で、「深山柳」と書く。別名のミネヤナギも同じ。ヤナギは、この木で矢を作ったことから「矢の木」が転じたもの。他に魚を捕るヤナに用いられたことから「ヤナ木」からきたなどの説がある。 
  • 花期・・・5~7月、高山では1~2m、低山では5m 
  • 樹形・・・根元からよく分岐し、高山では地を這うように横に広がる。環境によって樹形の変化が大きい。 
  • 枝は黄褐色~暗褐色を帯びる。若枝ははじめ細毛が密生する。
  • ・・・葉は互生し、枝先の方が大きい。先は急に尖るか、先端部だけが突出する。縁には波状の鋸歯がある。表面は緑色で光沢があり、裏面は粉白色。 
  • ・・・葉と同時に円柱形の尾状花序を立てる。花序の軸に細い軟毛があり、下部に3~5個の小さな葉をつける。雌雄異株。
  • 雄花・・・雄しべが2個あり、葯は黄色。 
  • 雌花・・・花序は緑色。柱頭は2裂し、花柱よりやや短い。 
  • 蒴果・・・フワフワした白い綿毛がつき、風によって飛ぶ。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社) 
  • 「フラワートレッキング 秋田駒ヶ岳」(日野東・葛西英明、無明舎出版)
  • 「秋田の山野草Ⅱ300選」(秋田花の会)