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樹木シリーズ134 トウグミ

  • 実が大きく渋味が少ないトウグミ(唐茱萸、グミ科)

     山野に生えるナツグミの変種で、若葉の表面に星状毛がある。実は大きく渋味が少ない。グミの仲間は、葉の裏面が銀色の鱗のようなもので覆われてキラキラ光る。グミ類は種類が多く、トウグミのほか、マルバグミ、ナツグミ、アキグミ、マルバアキグミ、ツルグミがある。
  • 見分け方・・・ナツグミと、その変種トウグミはよく似ている。トウグミは、葉表に星状毛が見られ、葉裏に鱗状毛。これに対し、ナツグミは葉表裏、どちらも麟状毛である。 
  • 名前の由来・・・果実が大型のために、唐から来た外来種と考えられて、「唐茱萸」と書く。グミは、トゲ(グイ)のある木になる実の意味から、グイミ→グミに転訛。 
  • 花期・・・4~5月、高さ4m 
  • ・・・葉腋に淡い黄色の花が垂れ下がって咲く。ガク筒の下部は子房のあるところからくびれる 
  • 虫媒花・・・花蜜を吸うコマルハナバチ。
  • 果実・・・6月頃赤く熟す。 
  • 風味・・・甘酸っぱく、口に残る渋味がある。栽培種のトウグミは、実が大きく渋味が弱い。 
  • 食べ方・・・渋味の弱いものは生食。渋味が強いものは、2~3回塩水に浸しておくと渋が抜けて食べやすくなる。ジャムやグミ酒に利用される。 
  • グミ類と野鳥・・・カワラヒワ、メジロ、ムクドリ、オナガ、ヒヨドリなどがよく採食する。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「樹木観察ハンドブック 山歩き編」(松倉一夫、JTBパブリッシング)
  • 「きのこ・木の実・山菜カラー百科」(主婦の友社)
  • 「野鳥と木の実と庭づくり」(叶内拓哉、文一総合出版)