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樹木シリーズ152 ヒメシャラ

  • ナツツバキの近縁種で、庭木として人気なヒメシャラ(姫沙羅、ツバキ科)

     樹皮や白い花がナツツバキに似ているが、花の直径は2cm前後と小さい。樹皮は細かく剥がれ、橙色を基調とした美しい斑模様になる。幹がツルツルなのでサルスベリ、サルナメリの地方名がある。寺や茶庭、庭木、盆栽などに好んで使われ、美しい樹皮や花を観賞する樹木として愛されている。分布は、箱根以西、四国、九州。
  • 見分け方・・・ナツツバキと似ているが、ヒメシャラの花の直径は2cm程度と小さく、ナツツバキは5~7cmと大きいので見分けられる。葉も小さいが、両者を比べてみないと判別は難しい。 
  • 名前の由来・・・ナツツバキを「沙羅」と呼び、それより全体的に小型なので、「姫沙羅」と書く。方言名は、サルスベリ、サルナメリ、ヤマサルスベリなど。 
  • 花期・・・6~8月、高さ15~20m 
  • 樹皮・・・ナツツバキよりやや赤みが強い。木肌の美しさから茶室などの床柱にされる。
  • ・・・互生し、広卵形。縁に浅い鋸歯があり、葉先が細長く尖る。 
  • 花のツボミ 
  • ・・・直径約2cmの白い花を開く。花弁は5個。花の下には、ガク片より長い2個の苞がある。 
  • 雄花、雌花・・・中心に雌しべが1本、オレンジ色の葯をもつ雄しべは多数。 
  • ナツツバキと同様、花弁はバラバラにならずに散る。
  • 虫媒花・・・主として昆虫を媒介して受粉を行う虫媒花。 
  • 蒴果・・・木質で白い毛が密生する。熟すと5裂して翼のある種子をだす。 
  • 自然分布・・・ナツツバキよりやや暖かい地方に多い。北限は、神奈川県箱根で、そこにはヒメシャラがたくさん生えている。特に箱根神社周辺には、かなりの大木があるという。
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
  • 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)