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樹木シリーズ174 モクゲンジ

  • 寺院に多いモクゲンジ(別名センダンバノボダイジュ、ムクロジ科)

     主に本州の日本海側、朝鮮、中国に分布し、寺院によく植えられる。国内のものは本来の自生かどうかは分かっていない。夏、枝先に穂状の花序をつけ、たくさんの黄色い花を咲かせる。果実は風船のように膨らみ、熟すと3裂する。種子から数珠がつくられる。中国では、咳を鎮める薬用に利用される。
  • 名前の由来・・・ムクロジの中国名「木患子」を誤ってモクゲンジにあてたため、その日本語読み「モクゲンジ」になったと言われている。また、木の葉の様子がセンダンという植物の葉に似ていることから、「センダン葉の菩提樹」とも呼ばれている。 
  • 花期・・・7~8月、高さ10m 
  • ・・・奇数羽状複葉で互生。小葉は卵形で縁に不ぞろいの粗い鋸歯がある。小葉が全裂するものもある。
  • ・・・枝先に大形の円錐花序を直立し、黄金色の小さな花を多数つける。 
  • 雄花・・・長い雄しべが8本ある。 
  • 果実・・・三角状卵形で、先端は尖る。果皮は、洋紙質で風船のように膨れ、10月頃に熟すと褐色になる。3裂し、中に黒く硬い種子が2個つく。 
  • 実は秋に色づく・・・ホオズキのような袋状の実は、秋になると色づく。
  • 樹皮・・・灰褐色
  • 利用・・・黒く硬い種子は、数珠の材料に使われる。このため寺院によく植えられる。また、葉を煮詰めて膏薬に、花は目薬と染料になる。実から油を搾る。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社) 
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)