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樹木シリーズ177 ラクウショウ

  • しばしば気根を突き立てるラクウショウ(落羽松、スギ科)

     北米原産の落葉針葉樹で、日本では公園樹として植えられる。別名ヌマスギと呼ばれるとおり、水湿地や沼地を好み、しばしば根元が水没するので、地中からこん棒のような気根(呼吸根)を突き立てる。漢字で「落羽松」と書くが、本種はマツの仲間ではなくスギの仲間である。4月頃、雄花は葉が開く前に穂になって垂れ下がる。球果は10月頃熟す。 
  • 名前の由来・・・細かい葉がびっしりと水平に並んでつく枝を鳥の羽に見立て、秋になると、その羽状の葉が枝ごと落下することから、「落羽松(ラクウショウ)」と名付けられた。
  • 原産地・ラクウショウの森・・・水湿地や沼地に生えることから、別名ヌマスギと呼ばれている。原産地では、高さ50m、直径3mに達する。 
  • ラクウショウとメタセコイアの違い・・・葉はメタセコイアに似ているが、葉の長さは短い。またメタセコイアの葉は対生するが、本種は互生する点で見分けられる。
  • 気根・・・水湿地や沼地に生えるラクウショウには、木の周囲の地面に気根(呼吸根)がたくさん生える。それはまるで人の腕や地蔵様、妖怪のようにも見え、幻想的である。メタセコイアには、この気根がない。 
  • 樹皮・・・赤褐色で縦に筋が入り、薄く剥がれる。 
  • 球果・・・直径2~3cm。1年型で、10~11月には熟して暗褐色になり、果鱗が割れると、隙間から3枚の翼をつけたタネをこぼす。 
  • 紅葉・・・秋、黄色からオレンジ、ピンクが混じった赤褐色に色づく。細い枝は1年生の短い枝で、秋には色付いた葉と一緒に落ちてしまう。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
  • 「探して楽しむ ドングリと松ぼっくり」(平野隆久・片桐啓子、山と渓谷社)