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樹木シリーズ182 ウリハダカエデ、ウリカエデ

INDEX ウリハダカエデ、ウリカエデ
  • 樹皮がウリの皮のようなウリハダカエデ(瓜膚楓、カエデ科)

     緑色のスベスベした樹皮は、マクワウリの実に似ているのが最大の特徴。本州、四国、九州に分布し、山地のやや湿り気のある雑木林などに生育する雌雄異株の落葉高木。株が育つとオスからメスに、環境が悪化した場合もメスに性転換する不思議な特性をもっている。高さ8~10m。
  • 名前の由来・・・緑色に黒い縦縞が入った若い木肌が、マクワウリの果実の模様に似ていることから、漢字で「瓜膚楓」と書く。 
  • ・・・葉は大きく、五角形に近い形をしている。柄は短く、対生で鋸歯がある。  
  • ・・・5月、 新芽と同時に開く。細長い総状花序を垂らし、淡い緑色の小さな花を咲かせる。雌雄異株。 
  • 樹皮・・・若木の樹皮は、緑色に黒い縦縞が明瞭だが、老木になると、灰褐色となり縦に浅く裂けてくる。 
  • 翼果・・・やや大きめの翼果で、総状に下に垂れる。翼果は2~3cmで、2枚の翼は斜めに開く。 
  • 利用・・・シナに似た良質の繊維が採れ、昔から蓑、荷縄、馬の曳き網、馬のアブ除けなどを作った。この繊維は、シナのように網状の穴がないから水に強く、色も白味を帯びて艶があって美しい。渡河用や舟の綱にも用いた。皮剥ぎは、シナノキやヤマブドウの皮剥ぎと同じく、7月20日~8月8日までの夏の土用の間が適期。 
  • 木材・・・器具やこけし、細工物、箸や経木など。 
ウリカエデ
  • ウリカエデ(瓜楓、カエデ科)

     ウリハダカエデに似て、緑色の樹皮に黒い縦縞が入るのが特徴だが、葉の大きさが小さく、3つに裂けるものや裂けないものなど形が異なるので簡単に見分けられる。花や実もウリハダカエデよりずっと細くて可憐。福島県以南の低山に普通に生える。
  • 名前の由来・・・ウリハダカエデと同じく、樹皮や枝が緑色に暗黒色の筋が入り、瓜に似ていることから、漢字で「瓜楓」と書く。 
  • 花期・・・4~5月、高さ6~8m 
  • ・・・卵形で対生し、カエデの仲間では最も小さい。ほとんど裂けないが、時に3裂することがある。縁には鈍い鋸歯がある。
  • ・・・枝先に穂状花序を出し、淡黄色の花を咲かせる。雌雄異株。 
  • 翼果・・・ほぼ水平に開き、赤みを帯びてよく目立つ。 
  • 樹皮・・・帯緑灰褐色。
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社) 
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「続゛読む゛植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)