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樹木シリーズ195 ツノハシバミ、セイヨウハシバミ

INDEX ツノハシバミ、セイヨウハシバミ
  • 和製ヘーゼルナッツ・ツノハシバミ(角榛、カバノキ科)
     毛だらけの丸い実に長い角が、細長いクチバシのような奇妙な形をした実が特徴。その中には、ドングリ型の堅果が入っていて、昔から食用にされている。日当たりの良い林道脇などに見られ、花は3~4月に前年枝から垂れ下がる。同じ仲間のハシバミは、フリル飾りの総苞の中に丸い堅果が入っていて、同じように食用になる。高さは2~3m、高いものは4~5m。有名なヘーゼルナッツは、ヨーロッパ原産のセイヨウハシバミの堅果で、同じハシバミの仲間である。
  • 名前の由来・・・長い角状に伸びた果苞の特徴的な果実の形に由来する。 
  • ・・・3~4月、雄花序は前年枝から垂れ下がる。雌花序は数個の花が頭状に集まり、枝先や雄花序より上部につく。(写真出典:ウィキメディア・コモンズ
  • ・・・倒卵形または楕円形で、葉先の半分に不揃いの重鋸歯が所々突き出ている。葉の先端が鋭く尖る。若い時は紫斑がでる。表裏とも葉脈上にまばらな毛がある。 
  • 堅果・・・9~10月、先がクチバシ状の筒になり、毛だらけの総苞に包まれている。 
  • 食べ方・・・外皮をとれば、中の種子はそのままでも煎っても美味しく食べられる。
セイヨウハシバミ
  • セイヨウハシバミ(ヘーゼルナッツ)
     セイヨウハシバミは、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに分布するカバノキ科ハシバミ属の落葉低木。堅果は、日本でもヘーゼルナッツの名で売られている。そのほとんどがトルコ産である。ヨーロッパでは、日本のクリのように一般の人々に親しまれてきた食用堅果で、聖書にも登場する。ギリシャ神話の知恵の神、ヘルメスが手に持っている杖がハシバミの枝で作られたと言われている。このため、アイルランドでは、ハシバミの木を英知の象徴として崇拝し、春の祭礼には小枝を室内に飾って悪魔祓いをしたという。 
  • 雄花序 
  • 果実
  • 堅果の利用・・・種皮を剥き、煎ってから食べるほか、製菓の材料として、クッキー、チョコレート、アイスクリームなどに用いられる。特にチョコレートとの相性が良い。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「山菜ガイド」(今井國勝ほか、永岡書店)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
  • 「読む植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
  • 「葉でわかる樹木 625種の検索」(馬場多久男、信濃毎日新聞社)