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樹木シリーズ196 ゴヨウマツ

  • 盆栽の王様・ゴヨウマツ(五葉松、マツ科)
     深山の尾根や岩の上などに自生し、庭木や盆栽にされる。生長が遅く、若木でも風格のある樹形になるので盆栽に珍重され、「盆栽の王様」とも言われている。葉が2本ずつ束になるクロマツやアカマツとは異なり、5本ずつ束になってつく。庭木では2~3mと低いが、深山の大木になると高さ35m、直径1mぐらいになる。分布は、東北地方東南部以西、四国、九州。秋田には、中部地方以北に分布するキタゴヨウマツが自生する。
  • 名前の由来・・・「五葉松」の名のとおり、針状の葉が5枚ずつ束になってつくことから。 
  • 花期・・・5~6月、高さ35m 
  • 樹皮・・・暗灰色で、老木になると不ぞろいの薄片となって剥がれ落ちる。 
  • 枝は横に張り出し、若枝はほとんど無毛。 
  • ・・・短枝に5個ずつつき、長さ2~6cmの針状でややねじれ、上部にわずかに鋸歯がある。裏面は白っぽい。葉の横断面は三角形。 
  • ・・・雌花は本年枝の先端につき、長楕円形で紫紅色または緑色。雄花は本年枝の下部につく。 
  • 球果・・・長さ4~7cmの長卵形で先端はあまりとがらない。翌年の10月に成熟すると苞鱗が開く。種子は倒卵形で、種子より短い翼がある。翼は薄くてもろい。 
  • 利用・・・庭木、盆栽として利用され、園芸品種も多い。本種は、盆栽に用いられるアカマツやクロマツに比べても樹齢が長く、暑さにも寒さにも強いことから人気が高い。材は狂いが少なく、建築、楽器、彫刻、建具、マッチの軸木、パルプなどに利用する。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)