本文へスキップ

樹木シリーズ201 サンシュユ(ハルコガネバナ)

  • 早春、黄色い花で親しまれるサンシュユ(山茱萸、ミズキ科)
     朝鮮半島・中国原産で、江戸時代に渡来し、庭木や公園樹として植えられる。早春、色が少ない時期に黄色い花を枝全体につけるので、満開になるととても華やか。かつて別名のハルコガネバナが和種名として提唱されたことがある。果実は楕円形で、秋に真っ赤に熟す。果実酒に向き、果肉を乾燥させて漢方薬として用いる。 
  • 名前の由来・・・中国植物名「山茱萸」の音読みが和名の由来。 
  • 別名ハルコガネバナ(春黄金花)・・・早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることからついた別名。 
  • 白井幸太郎「植物渡来考」・・・「享保7年(1722)、朝鮮より山茱萸(サンシュユ)渡る」と記されている。 
  • 花期 3月 高さ5~15m
  • 樹皮・・・帯褐色で鱗片状に剥がれる。 
  • ・・・卵状楕円形の表面は濃緑色の光沢があり、先は鋭くとがる。全縁で、側脈は4~7対。表裏ともに葉脈上に毛があり、裏面の脈腋に濃褐色の毛が集まっている。
  • ・・・葉に先立って枝一面に、黄色の小さな花を20~30個密に開く。花序の基部に褐色の総苞片が4個ある。 
  • 花弁と雄しべは4個。1個の花の直径は約5mmで、放射状につく。 
  • 果実・・・1.5cmの楕円形で赤く熟す。グミの果実に似ていて食べられる。山茱萸の「茱萸」は、日本ではグミのことだった。グミ科ではないが、果実を見れば山に生えるグミとも言える。 
  • 渡来の目的は実の薬用・・・元々は、花の鑑賞が目的ではなく、薬用として入った。果肉を乾燥させたものを「山茱萸」と称し、滋養強壮、止血、解熱などに使われてきた。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)