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樹木シリーズ213 フヨウ、スイフヨウ

  • 大輪の一日花・フヨウ(芙蓉、アオイ科)
     温暖な地域の沿岸地に自生している。大輪の美しい花だが、朝開いて夕方にはしぼむ一日花。翌日は新しい花が咲く。花は、ハイビスカスに似て、南国ぽい雰囲気がある。サルスベリと同じように花期が長い。日当たりのよい環境を好み、大気汚染などに強く丈夫なので、道路沿いに植えられることが多い。 
  • 名前の由来・・・中国で「芙蓉」はハスのことで、本種はハスに似ていることから「木芙蓉」と書いていたが、後に略して「芙蓉」となったという。その中国名に由来する。
  • 花期 7~11月、高さ1~4m 
  • ・・・淡紅色の花は、直径10~14cmの大輪で、木の上に飾り立てるように咲く。朝咲き始め、夕方になるとしぼんでしまう一日花。翌朝にはポロリと地面に落ちる。
  • ・・・葉は互生し、直径10~20cmで掌状に浅く3~7裂する。基部は心形で、縁には鈍い鋸歯がある。 
  • ・・・ゴルフボール大の実は、毛むくじゃらで熟すと割れ、毛虫のような種子がゾロゾロ現れる。 
  • 花も酔うのか「酔芙蓉(スイフヨウ)」(園芸品種)・・・多数の品種があるが、有名なのはスイフヨウ。初秋の朝に白色の花を開き始め、正午を過ぎると淡い桃色、そして日が傾く夕方から夜になると鮮やかな紅色に変わる。この変容が、あたかも酒に酔って赤くなるようなので「酔芙蓉」と名付けられた。
  • 秋牡丹・・・残暑の頃に咲き始め、暖かい地方では11月まで咲き続けることから、秋牡丹とも呼ばれている。
  • 酔芙蓉の花は翌朝も残る・・・翌朝、別の白花に混じって、しぼんだ二日酔いの花が枝に残る。これまたおもしろみがある花である。 
  • アメリカフヨウ(北アメリカ原産の園芸種)・・・別名クサフヨウと呼ばれる大輪の草で、花壇などによく栽培されている。大きく目立つ花を咲かせるハイビスカスの仲間。花色は赤からピンク、白がある。
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)