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樹木シリーズ215 ヤツデ

  • 天狗の羽団扇のようなヤツデ(八手、ウコギ科)
     暖地の海沿いの林に生え、天狗の羽団扇を思わせる大きく光沢のある葉が特徴。初冬に咲く花は、ゴルフボール大の白い花を咲かせ、ハエやハナアブがよくやってくる。アオキと同じく、日陰でも良く育つ常緑樹なので庭木として人気がある。春に黒く熟す果実には、ヒヨドリなどがよく食べて種子を運ぶため、市街地の公園や人家近くによく生えているという。 
  • 名前の由来・・・大きな葉が手のひらのように数多く(八)切れ込んでいることから。ほとんどの葉が九つに裂けているが、名前のように八つに裂けているのは稀である。あくまで八は数が多いことを表している。 
  • 花期・・・10~11月、高さ3~5m 
  • ・・・大形で、葉の直径は20~40cm。葉は掌状に深く切れ込み、枝先に輪生状に集まって互生する。葉柄の長さも30cmにもなる。毎年春に一段出て、新旧交代するので、若木であれば幹にある段の跡から樹齢が分かる。 
  • 別名「テングノウチワ」・・・天狗の羽団扇に似ていることから、別名「テングノウチワ」とも呼ばれている。
  • ・・・晩秋~初冬にかけて、白い小さな花が球状に集まって咲く。両性花と雄花がある。 
  • 花と昆虫・・・周りに花がなくなる頃に咲くので、ハエやハナアブ、ミツバチなども一杯やってくる。 
  • 果実・・・翌年の4~5月頃、黒く熟す。 
  • 垂れ下がる実・・・緑色から赤紫色を経て黒くに熟す。熟すと実の重さでだらんと垂れ下がる。 
  • 日陰でもよく育つ 
  • 日本特産種・・・江戸時代、長崎に来たオランダの植物学者・ツンベルクによってヨーロッパに紹介され、欧米でも観葉植物として親しまれている。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)