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樹木シリーズ220 センリョウ

  • お正月の縁起物・センリョウ(千両、センリョウ科)
     比較的暖かい南関東以南の常緑樹林の半日蔭に生育する常緑小低木。名前が対をなすマンリョウとともに正月の縁起物とされている。赤い果実は上向きにつき良く目立つので、庭木として植えられ、果実は花材や正月飾り、クリスマスリースなどの材料として使われる。南関東以南から沖縄に分布。 
  • 名前の由来・・・冬、赤い実のなるセンリョウ、マンリョウ、アリドオシを庭に植え、「千両、万両、有り通し」と語呂合わせをすると金運に恵まれるという縁起物説など諸説ある。マンリョウの果実はセンリョウより大きく重いので垂れ下がり、センリョウは軽いため上向きにつくなど、どれもマンリョウに対比させたおめでたい植物が名の由来になっている。 
  • 牧野富太郎博士・・・「実が美しく千両に値する意味と、サクラソウ科のマンリョウ(万両)に対しての千両の意である。高知県では千両と言うのは本種のことでなく万両のことである」と述べている。 
  • 花期・・・6~7月、果実は晩秋から冬、高さ50~80cm
  • ・・・長楕円形で先は尖り、縁にギザギザ感が強い鋸歯がある。薄い革質で光沢がある。 
  • ・・・梅雨期に咲くが、地味な花で目立たない。茎の先に2~3個の短い穂状花序をだす。花には花被がなく、子房の横に黄色の雄しべが1個つく。
  • 果実・・・球形の赤い実が枝の先端に集まって上向きにつく。冬に赤く熟し、生け花などに使われる。
  • 果実と野鳥・・・ヒヨドリやメジロ、ジョウビタキなどが好んで食べる。
  • 昔は切り花、現在はお正月飾り・・・地下茎から毎年新しい茎が出て株が広がるので、江戸初期から庭木として栽培され、主に切り花として利用されてきた。現在は縁起がよいと、新しい年の福を願って飾られることが多い。 
  • 黄色の果実・キミノセンリョウ・・・園芸品種
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
  • 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
  • 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)
  • 「読む植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
  • 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
  • 「野鳥と木の実と庭づくり」(叶内拓哉、文一総合出版)