樹木シリーズ226 コウゾ
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- 和紙の原料として有名なコウゾ(楮、クワ科)
ミツマタ、ガンピとともに和紙の原料として知られ、和紙製造のための品種が各地で栽培されている。現在のコウゾは、ヒメコウゾとカジノキの交配種だが、コウゾが広まるまでは野生種のヒメコウゾをコウゾと呼んで用いていた。コウゾには、製紙用の品種が多く、栽培には中国地方、四国、九州が最も適していると言われている。しかし、寒い地方でも育つ品種があるので、青森県から鹿児島まで植えられている。雌雄同株で、雌花序の下に雄花序がつく。
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- 名前の由来・・・神に献じる布を意味する「神衣=かみそ」の材料にしたことにちなむ説や、紙と布の原料になることを意味する「紙麻=かみお」が転じてなど諸説がある。
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- 葉・・・卵形または卵円形で先が尖り、縁には鋸歯があり、しばしば2~3裂あるいは5裂する。質は薄く、表面は少しざらつく。
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- 花・・・雄花の上についているのが雌花の集合花。淡いピンク色の線状の1本1本が雌しべ。
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- 集合果・・・球形で、6月頃赤く熟し、甘味がある。クマは、山に自生しているコウゾの実が大好きで、落ちた実も一つ残らず食べるという。
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- 樹皮・・・強靱で繊維が太く、製紙原料の中では最も長く、かつ強靭でよくかみあうので、強い紙をつくるのに最適だと言われている。
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- 原料の処理・・・コウゾを蒸し、皮を剥ぎ、包丁で黒皮をとり除いた白皮を天日で乾燥させる。
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- 原料の加工・・・水槽で戻し、白皮を煮る。漂白し、ちりを取り、皮をたたき砕く。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
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