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樹木シリーズ229 サンカクヅル、エビヅル

INDEX サンカクヅル、エビヅル
  • 生で食べられるサンカクヅル(三角蔓、ブドウ科)
     里山に生え、巻きヒゲで他の木にからみつくブドウの仲間。野生のブドウで食べられるのは、本種とヤマブドウ、エビヅルの3種。葉の形が三角形。果実は球形で黒く熟すと食べられる。春、ツルの伸びる前の新芽を摘み採り、天ぷらにすると美味しいらしい。味にコクがあり、タラノキの新芽のような美味しさだという。本州、四国、九州に分布。
  • 見分け方・・・本種の葉は三角形卵状だが、食べられないノブドウはほぼ円形で葉先が3~5裂する。
  • 名前の由来・・・葉の形が三角形のツル植物による。別名ギョウジャノミズは、修行者がこのツルの端から水を飲んだという伝説にちなんで名づけられた。 
  • 花期・・・5~6月
  • ・・・三角状卵形で薄く、縁に粗い鋸歯がある。 
  • ・・・葉と対生して円錐花序を出し、薄黄色の小さな花を多数開く。雌雄異株。(写真出典:ウィキメディア・コモンズ)
  • ツル・・・細く長い。古くなると茶褐色で縦に裂け目ができる。葉腋から葉に対生して巻ひげを出し、他の木に巻きつく。
  • 果実・・・直径約7mmの球形で黒く熟す。生で食べられる。ヤマブドウより酸味が薄い。 
  • 果実の採り方・・・黒く熟した実を房ごと摘む。高枝バサミを使うと便利。 
  • 果実の利用・・・果実酒は酒税法で禁止されている。ジューサーで生ジュースにする。ジャムにも利用される。 
  • 葉はヤマブドウより小形・エビヅル(海老蔓、ブドウ科)
     山野に生え、巻きひげで他の木にからみつく。葉はヤマブドウより小さく、一般に2つの切れ込みと3つの山に分かれ、水鳥の足のような形をしている。果実は、直径約5mmの球形で黒く熟し、強い酸っぱさと甘さがあり、食べられる。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「見つけたその場で分かる 山菜ガイド」(今井國勝ほか、永岡書店)