樹木シリーズ231 イワナシ、イワヒゲ
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- 実はナシのような甘味があるイワナシ(岩梨、ツツジ科)
山地から亜高山帯の林縁に生え、よく分岐して地を這う常緑の小低木。硬い葉は大きく、縁に褐色の剛毛がある。花は淡紅色の美しい鐘形で、実は扁球形に熟し、食べられる。北海道西南部、本州の日本海側に分布。秋田駒ケ岳では、焼森コースなどに見られる。
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- 名前の由来・・・和名は、岩場や石礫地に生え、蒴果がナシの果肉に似ていることによる。
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- 葉・・・互生し、有柄で長さ5~8cmの長卵形。先は鋭く尖り、両面に褐色の短毛がある。縁には褐色のトゲがある。
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- 花・・・枝先の総状花序には淡紅色の花を数個開く。花冠は長さ約1cmの鐘形で先は5裂する。ガクは紅紫色。
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- 透き通るようなピンクの花は美しいが、大変もろい。うっかり触れると、ぽろっと落ちるので、接写の際は気を付けたい。
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- 蒴果は食用・・・花が終わってから二ヶ月ほどすると、パチンコ玉大の蒴果をつける。蒴果は、直径約1cmの扁球形で、黒く熟すと食べられる。ナシの果肉に似ていて甘いという。
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- イワヒゲ(岩髭、ツツジ科)
本州中部以北から北海道の高山帯の岩隙や礫地に生える常緑小低木。茎を地を這ってよく分岐し、枝が岩場に長く垂れ下がる。白色またはわずかに淡紅色を帯びた花を下向きにつける。花冠は壺状鐘形で、浅く5裂して反り返る。
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- 名前の由来・・・岩場に生え、垂れ下がる多数の枝をヒゲに見立てて、「岩髭」と書く。
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- 生育場所・・・秋田駒ケ岳、鳥海山、栗駒山など、高山の岩隙。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「山渓カラー名鑑 日本の高山植物」(山と渓谷社)
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「フラワートレッキング秋田駒ケ岳」(日野東ほか、無明舎出版)
- 「続゛読む゛植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
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