樹木シリーズ47-2 ウツギ、サラサウツギ
                  INDEX ウツギ、サラサウツギ | 
      
      
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          - 別名「卯の花」で有名なウツギ(空木、ユキノシタ科)
 
           
           北海道から九州まで広く分布し、万葉集にも22首詠まれるなど、古くから身近な樹木である。白い花を枝いっぱいにつけて、野山や川岸、林道沿いなど至る所に自生している。小学校唱歌「夏は来ぬ」の冒頭に「卯の花におう垣根に・・・」と歌われている「卯の花」は、ウツギの別名である。 
          
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          - 名前の由来・・・茎を切ると中が中空だから「空木(ウツギ)」と書く。卯月(旧暦の4月)に咲くから、「卯の花」の別名がある。 
        
  
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          - 花・・・円錐花序を多数出し、鐘形の白い花が密に垂れ下がって咲く。花弁は5個、雄しべは10個、その基部には翼がある。花には、ハナバチやチョウがよく訪れる。 
        
  
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          - 豆腐のおからを卯の花と呼ぶ・・・おからは、大豆から豆乳を搾った際の搾りかすのこと。おからは、「空(から)」に通じて商売の縁起を担いで、真逆の「有(ウ)」と読み替え、加えてウツギの花の白と豆腐の白をかけて「卯の花」と呼んだ。 
        
  
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          - 葉・・・細長い水滴形で、葉脈は不明瞭。表面は星状毛が多く、ざらつく。 
        
  
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          - 樹皮・・・縦に短冊状にはがれる。下部からよく分岐して高さが2mほどになる。 
        
  
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          - 蒴果・・・球形で先端が少し窪み、花柱が残る。熟すと3~4裂する。
        
  
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          - ウツギ類は材の強度なし・・・ウツギの枯れ枝の中心は空洞になる。しかし、最初から空洞ではない。勢いよく伸びる枝の内部には、スポンジ状の髄が詰まっている。枝が枯れると髄は白く発泡スチロールのように軽く乾き、虫に食われて空洞になる。ノリウツギやタニウツギなどのウツギ類は、材が弱く強度がないので、急斜面でつかむと簡単に折れて滑落する危険があるので注意が必要である。
        
  
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          - 用途・・・枝は粘りがあり、丈夫なことからタンスなどの木釘に使われるほか、庭木、花材、楊子などに利用される。 
        
  
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          - 俳句 卯の花
 
          卯の花に母の写真の古りにけり 石田郷子 
深爪のうづく卯の花月夜かな 佐野美智 
山卯木雲より白きマリア像 島村あや子 
          おしあふて又卯の花の咲きこぼれ 政岡子規
          
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        | サラサウツギ | 
      
      
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          - 八重咲のサラサウツギ(更紗空木、ユキノシタ科)
 
           
           花は八重咲で、外側は紅紫色、内側は白色の品種。ウツギの中でも特に美しいので、古くから植栽されている。花は一斉に咲くので、満開になると見応えがある。
          
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          - 名前の由来・・・ウツギ(空木)の八重咲で、赤と白が交じっているから「更紗空木」と書く。
        
  
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        |  参 考 文 献 | 
      
      
        
        
          - 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社) 
          
 - 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
          
 - 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
          
 - 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
          
 - 「図説 日本の樹木」(鈴木和夫・福田健二、朝倉書店)
          
                    
 - 「樹木観察ハンドブック 山歩き編」(松倉一夫、JTBパブリッシング)
        
                    
 - 「俳句歳時記」(角川学芸出版編、角川ソフィア文庫)
                  
  
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