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樹木シリーズ63 オオデマリ

  • 真っ白なボール状の花を咲かせるオオデマリ(大手毬、スイカズラ科)

     本州以南に分布するヤブデマリ(ケナシヤブデマリとの説も)の花が、すべて装飾花になったもので、英名はジャパニーズ・スノーボールと呼ばれている。鑑賞用として庭木や公園に植えられる。オオデマリは両性花がなく結実しない。繁殖は挿し木による。稀に自生もあるという。樹形も美しく、秋の紅葉も美しい。 
  • 名前の由来・・・小さな花が丸く球体にかたまり、大きいもので直径12cmにもなり、大きな手毬のようになることから、「大手毬」と書く。別名テマリバナ。 
  • 英名「ジャパニーズ・スノーボール」・・・雪のように真っ白で、大きな手毬が「雪の球」のようだから。この花の魅力は、和名より英名の方が勝っているように思う。 
  • 花期・・・4~5月、高さ1~3m 
  • オオデマリの新緑とツボミ 
  • 花は咲き始め・・・球状に密集した黄緑色の花を咲かせ、開くと白色になる。 
  • アジサイを連想させる花・・・花だけ見れば、どことなくアジサイに似ている。 
  • 散った花も美しい・・・白い球が一斉に散ると、一面雪のように真っ白になる。
  • ・・・広い楕円形で、縁にギザギザがある。葉脈の部分がへこんで、表面にくっきりとした凹凸ができる。側脈はヤブデマより多い。 
  • 母種はケナシヤブデマリとの説もある・・・「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)には、「本州の日本海側に自生するケナシヤブデマリが母種と考えられている」。 
  • 近縁種・ケナシヤブデマリ(上の写真)・・・オオデマリは、ヤブデマリよりも葉にまるみがあり、側脈は10~15対と、ヤブデマリの7~12対よりも多い。ケナシヤブデマリは10~17対で、葉と葉柄とも無毛に近い。オオデマリは、葉の裏面、葉柄には星状毛が多少散生する程度で無毛に近い。以上から、ヤブデマリよりケナシヤブデマリに近縁であるとの説もある。 
  • 花言葉・・・花付きがよく、真っ白な花をまとまって咲かせることから、花言葉は「優雅なたしなみ」「華やかな恋」。 
  • 庭木・・・花がとても美しいのに加え、暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすいことから庭木として人気が高い。 
  • 紅葉・・・秋、黄色から赤に紅葉する。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
  • 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)
  • 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)