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野鳥シリーズ⑫ ケアシノスリ、ノスリ

INDEX ケアシノスリ ノスリ
  • よくホバリングする白いノスリ・ケアシノスリ(タカ目タカ科)

     白い尾の先に黒褐色の太い帯を持つ、白っぽいノスリ類。脚が足指の付け根まで羽毛に覆われていることから「毛脚ノスリ」と呼ばれる。日本へは冬鳥として少数が、主に北日本、日本海側に渡来する。見通しの良い開けた場所で狩りをするので見つけやすい。特に獲物が捕れないでいる時は、長い時間飛んでいるので、じっくり観察できる。
  • 見分け方・・・ノスリとは、尾の先の黒い帯で識別できる。白黒のコントラストが強く、頭部と下面が白い。顎髭はないか、あってもノスリほど大きくない。腹の黒い斑が大きく、目の周りは黄色い。
  • (写真:葦原の隙間をゆくケアシノスリ)・・・繁殖地では巣の上で、「ピーヨロロ」という声で鳴く。トビの声に似ているが、トビより声が細く短め。飛翔中にも鳴く。
  • 地吹雪の中の狩り。全長 オス55cm メス59cm 翼開長130~150cm。
  • 頻繁にホバリング・・・海岸の岸壁、草地、農耕地、干拓地、広い川原などの開けた場所に棲み、木の枝や杭、土塊など見晴らしの良い高みにじっと止まって獲物の出現を待つ。飛翔しながら獲物を探す場合は、夕方や風の強い日だけでなく、ほとんど風のない日中でも頻繁にホバリングすることが多い。獲物を見つけると、急降下して足指の爪で捕らえる。エサは、主にウサギやネズミ、小鳥。
  • 猛烈な吹雪の中、ケアシノスリが獲物を狙って超低空ホバリング
  • 繁殖地では、海岸の断崖の岩棚やツンドラ地帯の地上、低木上に巣をつくり、5月頃に産卵する。
  • 猛吹雪の中を飛ぶ幻想的な一枚
  • 左上がケアシノスリ、右下がノスリ
  • ケアシノスリの方が体が大きいので優雅な羽ばたきをする。力関係もケアシノスリの方が上で、ほとんどケアシノスリがノスリを追いたてている。
ノスリ
  • 杭や電柱などのてっぺんに止まるノスリ(タカ目タカ科)

     黒褐色斑とやさしい黒目をもつ、ずんぐりした体型のタカ類。北海道から四国にかけて繁殖する留鳥で、冬季は全国の農耕地、干拓地に飛来する。単独で見られることが多い。杭や電柱の上で待ち伏せ、主にネズミ類を捕食する。和名は、野を擦るように低空で飛翔することから名付けられた。
  • 鵟(ノスリ)・・・漢字表記は「狂った鳥」、古名では「くそとび」などと蔑視的な呼び方をされている。その理由は、ネズミしか捕らないので鷹狩りには使えないからだという。しかし、農作物の敵であるネズミを捕食してくれるので、農村部ではありがたい存在である。
  • 見分け方・・・飛翔中、翼が幅広で長く、尾が短い。翼を浅いV字形に保って飛び、翼下面に黒斑がある。胸には縦斑、脇から腹にかけて斑が密になる。 
  • ・・・「ピィーヨ」「ピィヨー」と優しい声で、割合よく鳴く。飛翔中は、「プィヨー」と少し調子を変えた声で鳴くこともある。
  • 全長 オス52cm  メス57cm 翼開長122~137cm
  • 生 活・・・亜高山から平地の林に棲み、干拓地や農耕地、川原、荒地など、開けた場所でエサをとる。ネズミやカエル、ヘビ、昆虫、鳥などを捕食する。飛びながら獲物を見つけると、低空飛翔で狙いをつけ、急降下して足指の爪で捕らえる。林内の大木の枝の股に枯れ枝を積み重ねて皿形の巣をつくる。
  • 繁殖と年間生活サイクル・・・関東森林管理局の調査結果によると、ノスリは2月頃にV字飛行や鳴きながらの飛行、波状飛行などのディスプレイを行う。3月中旬~下旬、巣づくりはオスとメスで行い、巣は樹上あるいは岩壁を使用する。4月に2~4個の卵を産み、主としてメスが抱卵し、オスは餌運びをする。ただし、共に抱卵することもある。4月末~6月に孵化し、6月~7月に巣立つ。
  • ハンティング・・・ノスリの狩りは、開けた草原のようなところが多い。ハンティングはまちぶせ型で、木にとまっている時も、地面をじっと見つめている。また、ホバーリングしながら獲物にねらいを定めてハンティングすることもある。
  • ノスリのホバリング
  • 獲物に向かって急降下
  • 獲物を見つけて飛び立つ
  • 何かを足でとらえたか?
  • 今度は頭を突っ込む
  • 獲物を捕まえて飛び立つ
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版)
「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「原野の鷲鷹 北海道・サロベツに舞う」(冨士元寿彦、北海道新聞社)
「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)
写真提供 土谷諄一 参考プログ「Photo of Akita