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野鳥シリーズ⑬-2 オオタカ

  • 都市に適応したオオタカ(蒼鷹、タカ目タカ科)
     平地から山地のアカマツ林などで繁殖し、農耕地などで越冬する。近年は市街地で繁殖・越冬する例が増えている。主にカモ類やキジバトなどを捕食するが、都市部ではドバトを主食にしている。もともと狩りの名手で、獲物が余れば貯えることもある。留鳥として九州以北に分布。
     タカのオスは、巣の見張りと狩りに専念する。メス親はヒナが大きくなるまで狩りに出ない。オスが捕った獲物は、首を落とし羽毛をむしるなど調理してから巣に持ち込んでメスに渡す。雌雄ほぼ同色。頭部から上面、尾羽まで濃い灰色で、下面は白く、黒く細い横斑がある。目の周りと足は黄色。繁殖期に「キッキッキッ」と鋭く鳴き続ける。
  • 特徴・・・顔に白い眉斑と黒い眼帯、頭部から上面は濃い灰色。メスは褐色味がある。下面は白く、黒く細い横斑がある。虹彩と足は黄色。 雌雄同色。
  • 飛翔時・・・翼の先が6枚に分かれる。
  • 幼鳥・・・ほぼ全身が褐色で体下面には焦げ茶色の縦斑がある。
  • 名前の由来・・・カラスほどの大きさしかないので、大きなタカではない。羽色が灰色と青色を混ぜたような色なので、「蒼鷹(あをたか)」と書く。
  • 全長 オス50cm、メス59cm 翼開長105~130cm
  • 生息環境・・・亜高山帯から平地の林に生息するが、しばしば獲物を求めて農耕地や水辺など開けた場所にも出てくる。近年は、都市にも適応し、身近な公園などにも出没するようになった。ハト類を食べた食痕を見つけることはあるが、林に隠れるので、姿を見つけるのは難しい。
  • 食性・・・主にツグミ類の小鳥、ハト、カモ、シギ、キジなど中~大形の鳥類。時にはネズミやウサギも捕る。
  • ・・・林内の大木の枝上に枯枝を積んで皿形の巣をつくる。
  • 交尾
  • 繁殖期は一夫一婦で暮らし、それ以外は単独で過ごす。
  • 繁殖・・・4月中旬~5月上旬に2~3卵を産む。抱卵日数約37日。
  • 巣立ち日数・・・約40日。
  • 開けた空間を飛ぶ時は、遠いはばたきに滑翔を交えて直線的に飛ぶ。
  • 鷹狩りとオオタカ・・・優れたハンターであることから、昔から鷹狩りに使われた。鷹狩り用には、オスより大きいメス。キジ・ヤマドリ・カモ・ウサギなどの狩りに用いられた。現在、国内のオオタカの捕獲が禁止・・・だから、海外から輸入したオオタカを使って「鷹匠」の伝統技術の継承が行われている。
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
  • 「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版)
  • 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
  • 「原野の鷲鷹 北海道・サロベツに舞う」(冨士元寿彦、北海道新聞社) 
  • 「秘伝! 野鳥撮影術」(文一総合出版)
  • 鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)
  • 「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)