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野鳥シリーズ31 ルリビタキ

登山でおなじみの青い小鳥・ルリビタキ(スズメ目ヒタキ科)

 標高1,500m以上の針葉樹林帯で繁殖し、夏山登山でおなじみの青い鳥。個体数も多く、身近な青い鳥として人気が高い。繁殖期になると八幡平、森吉山等のアオモリトドマツ林などに生息し、冬は平地の林などで見かけるほか、春の移動期には複数の個体を狭い範囲で見かけるなど、観察場所を変えると一年中見ることができる。オスは、何といっても光沢のある鮮やかな青色が特徴で、下面は白く、脇には鮮やかな橙黄色。
▲メスは、オリーブ褐色で、眼の周りに白いアイリングがある。脇は、オスよりも鈍い橙色。
見分け方

 尾の青色と脇腹の橙黄色は、雌雄、若鳥ともに見られる特徴。幼鳥でも尾は青い。 


 繁殖期は、亜高山帯の針葉樹林で、「ヒーピヒョロピヒョロヒョロヒョロリ」と、朗らかにさえずる。真冬でもさえずることがある。朝早くから夕方遅くまでさえずる。地鳴きは、「ヒッヒッ」「ガッガッ」「グッグッ」。
全長14cm 翼開長22cm スズメくらいの鳥だが、見た目は意外に小さく感じる。
生 活

 コメツガ、アオモリトドマツ(オオシラビソ)、シラベなどの針葉樹林を歩くと、さえずりを至る所で聞くことができる。人の背の高さより下を生活の場とし、下枝にとまって地上を見張り、昆虫やクモを見つけると舞い下りて捕食する。ツガイで縄張りを持ち、木の根元や崖の凹みなどに巣をつくる。産卵期は6~8月、卵数は3~6個。冬期は、低山や丘陵の沢沿いの林などで、1羽ずつ縄張りを持って生活する。
瑠璃三鳥

 青色の宝石「瑠璃」の名前がついた鳥は、ルリビタキのほか、オオルリ、コルリが知られ、「瑠璃三鳥」と呼ばれている。この青い鳥三種は、いずれも野鳥ファンに人気が高い。童話「青い鳥」のように、しばしば幸福の象徴とされる野鳥である。
托 卵

 巣づくりも抱卵もメスだけが行うため、托卵鳥に狙われやすく、ジュウイチやツツドリによる托卵が確認されている。孵化後のヒナは、オスとメスが協力をしてエサを運ぶ。オスは、メスと同じ茶色い羽色のまま2年余りを過ごし、なかなか青くならないらしい。
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「身近な鳥のふしぎ」(細川博昭、ソフトバンククリエイティブ)
「森の野鳥観察図鑑 鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)
「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)0
写真提供 土谷諄一 参考プログ「Photo of Akita