野鳥シリーズ38 コクガン、カワアイサ・・・INDEX コクガン、キンクロハジロ、ウミアイサ、カワアイサ |
海で海藻を食べて暮らす黒いコクガン(カモ目カモ科) 成鳥は、白黒のコントラストが鮮やかで、喉に白い首輪のような模様があるのが特徴。冬鳥として主に北海道から東北地方に飛来する。海水域を生活圏に、数羽~数十羽の群れで生活し、岩礁などでアマモ、アオサ、イワノリなどを食べる。天然記念物。 |
見分け方 マガモよりも少し大きめの小形ガンで、全身が黒っぽく、喉に白い首輪のような模様がある。やや似ているシジュウカラガンは、喉から頬にはっきりとした白斑があるので区別できる。 |
声 海上で泳いでいるコクガンは、「グルルグルルグルル」と、低い声で鳴き交わしながら移動していく。 |
全長61cm 翼開長126cm |
生 活 冬期には、波を直接受けるような海岸ではなく、テトラポットや岩礁に囲まれ、淀みがある場所にいることが多い。東日本大震災以降は、海上にいることが多くなったと言われている。小さな群れでいることが多く、常に海上で生活し、夜間も水に浮かんで過ごす。浅瀬で首を水の中に突っ込んだり、逆立ちしながらアマモ、アオノリなどを食べる。 |
キンクロハジロ |
まげのような冠羽をもつキンクロハジロ(カモ目カモ科) オスの白黒ツートンカラーとまげのような冠羽が目立つカモ類。全国に冬鳥として渡来するが、北海道の一部では少数が繁殖する。公園の池などでごく普通に見られるが、漁港など波立たない海水域にも生息する。水中に潜って貝、小魚などをよくとるが、水草なども食べる。 |
見分け方 オスは、長い冠羽を垂らし、全身が黒く腹部だけが白い。メスは全身褐色で短い冠羽をもち、目は金色、クチバシの基部に細い白色部が出ることがある。雌雄ともに飛ぶと、翼の広く白い翼帯が目立つ。 |
声 あまり鳴くことはないが、オスは「クワクワ、ピュルルル」と鳴き、繁殖期になると、「フィー」と口笛のような声を出す。 |
ウミアイサ |
ボサボサ頭がトレードマーク・ウミアイサ(カモ目カモ科) ボサボサした冠羽と細長いクチバシが特徴のアイサ類。首は白く、胸は茶色で黒斑がある。メスは頭部が赤みのある褐色で短めの冠羽がある。冬鳥として渡来し、沿岸、河口、漁港など海水域に生息する。潜水は巧みで、水中を泳いで魚を捕らえる。群れで潜水し、魚群を浅瀬に追い上げるようにすることもある。 |
カワアイサ |
子連れが微笑ましいカワアイサ(カモ目カモ科) オスは赤いクチバシ、緑の頭、白い胸のコントラストが鮮やかな大形のアイサ類。ウミアイサとよく似るが、カワアイサのオスは胸が白く、メスは首の白と頭の茶色との境が明瞭である。冬鳥として渡来し、北海道では留鳥として繁殖する。母親がたくさんの子どもたちを連れて泳ぐ姿は、とても微笑ましい。 |
生 活 越冬地では、数羽から数十羽の群れで生活し、広い湖沼や大きな川で見られ、海に出ることは少ない。巧みに潜水して魚を捕らえ、魚をくわえたまま浮上し、水面でくわえ直して飲み込む。繁殖地では、川や湖の岸辺の岩の隙間、樹洞などに営巣し、7~14卵と多くの卵を産む。母親が最大14匹もの子どもたちを連れて歩いたり、川を遡上する光景は絶好の被写体である。 |
参 考 文 献 |
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社) 「ぱっと見分け 観察を楽しむ 野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社) 「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版) 写真提供 土谷諄一 参考プログ「Photo of Akita」 |