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野鳥シリーズ39 アオサギ

  • 日本最大のサギ類・アオサギ(コウノトリ目サギ科)
     世界にはサギ科の鳥が約60種、日本では19種が記録され、16種の繁殖が確認されている。その日本のサギの中で最も大きいのがアオサギである。留鳥として全国に分布し、九州以北で繁殖する。水田から海岸まで様々な水辺に棲息。魚類や両生類、は虫類などを捕食し、時には鳥類や小型ほ乳類を捕食する。大きなコロニーをつくって繁殖する場合が多く、秋田では秋田市向浜のアオサギコロニーが有名である。かつて男鹿半島の本山では、アオサギのコロニーが400とも言われたが、今は少なくなっているらしい。
  • 見分け方・・・青灰色の大きなサギ・・・その大きさと色彩で容易に識別できる。目の後方から濃紺の線があり、長い冠羽へとつながっている。首には濃紺の縦斑がある。胸と背に飾り羽がある。
  • ツルとの違いは・・・ツルは首を伸ばして飛ぶが、サギは首をS字状に折り曲げて飛ぶ。これは、他の鳥にないサギの特徴である。
  • ・・・繁殖期には、「クァー」「ゴァー」という声でよく鳴く。繁殖期以外でも、特に夕方や夜明けに飛び立つ時や飛翔中にも「クァー、クァー」と大声で鳴くことがある。
  • 全長93cm 翼開長161cm
  • 生 活・・・水の中をゆっくり歩いたり、じっと立ち止まって待ち伏せしたりしながら魚を捕らえる。大きな魚をクチバシで突き刺して捕らえることが多い。捕らえた魚は、岸に打ち付けて殺したり、飲み込む前に水で洗うことがある。カエル、昆虫類を捕食することもある。
  • アオサギやゴイサギ、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、アマサギの6種のサギは、数種類が同じ場所で集団営巣することが知られ、これをコロニーあるいはサギ山と呼んでいる。一般に丘陵地や海岸近くのマツ、広葉樹林のてっぺんに集団で営巣する。巣は樹上に小枝や枯れ草を積み重ねた粗雑な皿形で、梢に作られることが多い。産卵期は4~5月。卵数は3~5個。雌雄で抱卵し、ヒナは20~30日で巣を離れ、約50日で巣立つ。
  • アオサギの交尾 (2016年4月12日撮影、秋田市向浜)
  • 秋田市向浜のアオサギコロニー・・・アオサギは数十から数百のツガイが一ヶ所に集まって繁殖を行う場合が多い。秋田では、秋田南バイパスの山王側にかかる臨海大橋から向浜側の林に多数の鳥の巣が見える。これは、アオサギやゴイサギ、カワウ等の営巣地コロニーで、数百羽が子育てをしている。一夫一婦制で、毎年同じツガイで同じ巣を使うことが多いという。ちなみに平成16年の調査では、アオサギ367巣、ゴイサギ226巣、ダイサギ17巣となっている。
  • アオサギと人とのトラブル・・・アオサギは、年々生息域を拡大し個体数も増える傾向にあるという。これに伴い、人とのトラブルも目立つようになった。中でも大きな問題になっているのは、河川や養魚場での魚の食害、そして田んぼでの稲の踏みつけ被害である。さらに、コロニーが民家に隣接しているところでは、フンや鳴き声に対する苦情もあるという。 
  • アオサギ(青鷺)は夏の季語
    昼ねぶる青鷺の身のたふとさよ    芭蕉
    夕風や水青鷺の脛(はぎ)をうつ    与謝 蕪村

    青鷺の気配消したる瀬合ひかな 野田ゆたか
    青鷺のみじろぎもせず見張るかな 正木和子
    冠羽立てて青鷺沼制す 門田窓城
▲アオサギとダイサギ
  • 動画「アオサギの巣づくり 」
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見分け 観察を楽しむ 野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)