本文へスキップ

野鳥シリーズ40 ダイサギ、ゴイサギ・・・

INDEX ダイサギ、チュウサギゴイサギアマサギ
  • 全身が白い大形のシラサギ類・ダイサギ(コウノトリ目サギ科)

     クチバシと首が一際長いシラサギ類で、アオサギと並ぶ最大級のサギ。コサギなどより脚が長いので、より深い水の中をエサ場として利用することができる。普段は小さな群れや単独で行動し、繁殖期になると混合コロニーをつくる。国内には、2つの亜種が生息する。
  • 見分け方・・・シラサギ類では最大で、クチバシ、脚、首が長い。脚が黒色。クチバシは、夏は黒く、冬は黄色。夏だけ胸と背に長い飾り羽がある。
  • ・・・繁殖期に「グワー、グワー」「ゴァー、ゴァー」と大声でやかましく鳴き立てる。繁殖期以外は、ほとんど鳴くことがない。
  • 全長89cm、翼開長130cm
  • 生 活・・・川、湖沼、干潟などで生活し、水の中をゆっくり歩いてエサを探す。エサを見つけると、首を瞬間的に伸ばして、クチバシではさみとる。魚が大きい場合は、鋭く尖ったクチバシで突き刺して捕らえることが多い。魚以外にザリガニや両生類、昆虫なども捕食する。よく茂った雑木林などに集団で繁殖する。コサギ、ゴイサギなどとともに、サギ山と呼ばれる混合コロニーをつくる。巣は水の上に小枝を積み重ねて皿形につくる。産卵期4~6月。卵数2~4個。
チュウサギ
  • 中間的な大きさのシラサギ・チュウサギ(コウノトリ目サギ科)
     コサギとダイサギの中間的な大きさで、クチバシが短いシラサギ。脚が黒く、クチバシは夏は黒く冬は黄色。胸と背の後部にレース状の飾り羽がある。ダイサギと似ているが、クチバシと首がいずれも太く短いので識別できる。本州から九州の各地で繁殖する夏鳥。水田や湖沼などの湿地に生息するが、水辺よりも草地を好む傾向がある。魚やカエル、ザリガニ、トカゲなどを食べるが、他のシラサギ類より昆虫食の比率が高い。
ゴイサギ
  • 夜行性のサギ・ゴイサギ(コウノトリ目サギ科)
     星明りの空をフワッフワッと飛ぶ夜行性のサギ。本州から九州の各地で数多く繁殖する。頭頂から背が紺色、後頭部に白くて長い冠羽がある。目は赤、クチバシは黒、脚は黄色。

     「五位鷺」という偉い名前は・・・その昔、醍醐天皇が神泉苑の池のほとりにサギがいるのを見て、従者に捕獲するよう命じた。従者は、飛び立とうとするサギに向かって「天皇直々の命令である」と言うと、サギはひれ伏したので容易に捕まえることができた。天皇は、命令に従ったサギを「神妙である」として五位に任じ、サギの中の王であるという札を付けて放鳥したという逸話から名付けられた。その逸話は、「平家物語」や「源平盛衰記」に記されている。
  • 見分け方・・・頭上から背は紺色、白い冠羽があり、翼と尾は灰色。幼鳥と若鳥は、ホシゴイと呼ばれている。繁殖の一時期、脚全体が赤くなる。
  • ホシゴイ(幼鳥)・・・成鳥と一緒にいることが多く、別種だと思うほど容姿が異なる。全体に褐色で、白や黄褐色の細かい斑が入り、俗に「ホシゴイ」と呼ばれている。完全な成鳥の羽に換羽するまでは長い期間を要する。
  • 成鳥と幼鳥のホシゴイ
  • ホシゴイの飛翔(大潟村幹線排水路)
  • ・・・繁殖期は、「グァーグァー」とやかましく鳴き交わす。飛翔時は「ゴァー、ゴァー」と間隔を置いて鳴く。
  • 全長57cm 翼開長108cm
  • 生 活・・・昼間は竹やぶや繁った林などのねぐらで休憩し、夕方、薄暗くなった頃飛び立ち、池や沼、養魚場などで魚やカエルなどを捕食する。夜通しで行動し、明け方にはねぐらに戻る。繁殖期には、よく茂った雑木林、松林、竹林などで集団繁殖する。他のサギ類と混合コロニーをつくる場合が多い。1本の木に数ツガイから10数ツガイが隣り合って巣をつくる。産卵期は4~8月。卵数3~6個。
アマサギ
  • オレンジ色の夏羽をもつアマサギ(コウノトリ目サギ科)
     夏は、頭部から首、背中の羽がオレンジ色。冬は、全身が白色。コサギより小さく、クチバシが橙黄色で脚は黒。本州から九州に飛来する夏鳥。冬は南方へ渡るが、暖地では越冬するものもいる。農耕地や川原、湖沼などで繁殖する。草原の鳥に近く、魚よりも昆虫やカエルなどが主食。牛などの大型家畜や草食動物について歩き、それらにたかる虫や足元から飛び出すバッタなどを食べる。
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見分け 観察を楽しむ 野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版)
「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)