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野鳥シリーズ43 ヒガラ

  • 小さなカラ類・ヒガラ(スズメ目シジュウカラ科)

     胸に太い蝶ネクタイと頭に短い冠羽があるのが特徴で、カラ類では最も小さい。山地や亜高山帯の針葉樹林に多く、ブナやカバ類の広葉樹林も好む。カラ類では、最も木の高いところの枝先にいることが多い。さえずりも木の天辺で行う。越冬期には、平地林や公園でも見られ、シジュウカラやエナガ、キクイタダキなどと混群を形成することが多い。 
  • 見分け方・・・冠羽が立ち、後頭部が白い。胸の黒班は大きいが、シジュウカラのような縦長の黒ネクタイはなく、どちらかと言えば蝶ネクタイのように見える。頬は白い。翼には、2本の白い帯がある。 
  • ・・・「ツピン、ツピン」「ツーピン、ツーピン」などと早口で繰り返しさえずる。シジュウカラに似ているが、より高音。地鳴きは「チィー」「ツリリリ」「ツィー」。
  • 全長11cm 翼開長17cm 
  • 生 活・・・繁殖期には、主に亜高山帯の針葉樹林に棲息する。常に枝先の茂みの中を移動し、昆虫やクモなどの昆虫類、植物の実などを捕食する。繁殖期には、ツガイで縄張りを持ち、樹洞やキツツキ類が掘った古巣を利用する。巣は、蘚類や繊維質のものを主な材料にする。産卵期は5~7月。卵数は5~8個。抱卵日数、巣立ち共に約半月。越冬期は、平地にもよく現れるが、主にスギや松などの針葉樹で採餌している。
  • ヒガラと桜・・・ヒガラは花の蜜を吸うようなしぐさを何度も繰り返していたが、それが蜜を吸っていたのか、それとも花の蜜にやってきた昆虫を食べていたのかは不明。
  • 松ぼっくりに頭を突っ込むヒガラ・・・松ぼっくりの中の松の実(胚乳)は、脂肪分が多く栄養価が高いらしい。だからマツ類の種子を好んで食べる。針葉樹の種子やアブラムシなどをあちこちに貯える習性もあるが、年によって全く貯えないこともあるらしい。
  • 杉とヒガラ・・・スギの種子も好んで食べる。
  • 細い枝先や葉先で活発に動き回り、樹上で採食を行う。巣箱もよく利用する。
  • ヒガラとメジロ(国際教養大学) ・・・繁殖期以外の秋~冬は、群れを作って生活している。シジュウカラやコガラ、メジロ、キクイタダキなどと混じって群れを形成することもある。
  • 水浴びその1・・・水深が浅い湿地に水浴びに来たコガラ。キクイタダキと混群をつくってやってきた。
  • 水浴びその2・・・水に頭から突っ込んで水浴びをする。
  • 水浴びその3
 参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)