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野鳥シリーズ60 カシラダカ、オオヨシキリ、コヨシキリ

INDEX カシラダカ、オオヨシキリコヨシキリ
  • 短い冠羽のホオジロ類・カシラダカ(スズメ目ホオジロ科)

     頭に短い冠羽があるホオジロ類。ユーラシア大陸の亜寒帯で広く繁殖し、日本には冬鳥として九州以北に渡来。大きな群れで、積雪の少ない地方で越冬する。冬鳥の中では、ツグミとともに最も数の多い鳥である。驚くと短い冠羽が立つことから、この名がついた。
  • 見分け方・・・頭の冠羽、淡い黄白色の眉斑、赤茶色の腰、胸に茶色の帯状斑、脇は茶褐色の縦斑があるので、他のホオジロ類から見分けられる。
  • ・・・地鳴きは「チッ、チッ、チッ」と、いつも鳴いている。春先にはヒバリを思わせる明るい声でさえずる。
  • 全長15cm 翼開長24cm
  • 生 活・・・10数羽から数百羽の群れで生活し、明るい林のヘリ、川原、農耕地などで見られる。他のホオジロ類と同じく、地上を跳ね歩いて移動しながら落ちている草の実を食べる。驚くと木の枝にとまり、上へ上へと逃げ、よく高い枝にとまる。開けた広い水田で数百羽の大きな群れが採餌していることもある。群れのまとまりは弱く、驚くと1羽ずつがバラバラな方向へ飛び立つ。繁殖地へ渡る前の4月頃には、木の梢でさえずることがあり、多くの個体が集まってコーラスする。 
オオヨシキリ
  • 賑やかにさえずるオオヨシキリ(スズメ目ヨシキリ科)

     アシ原で大きな口を開けて、ギョギョシと賑やかにさえずる鳥。頭の羽毛が逆立ち、口内は赤色、頭部から体上面は褐色。日本には夏鳥として九州以北に渡来し繁殖。湖沼のヨシ原や河川敷などに棲息する。和名の由来は、ヨシを切り裂き、中にいる昆虫を捕食することから。「ギョギョシ」とさえずることから別名「行々子」。全長18cm、翼開長26cm。
  • 生 活・・・茎から茎へと移動しながら昆虫を捕らえる。フライングキャッチをすることもある。オスは、アシの枯れ茎や低木の梢で盛んにさえずり、縄張り宣言をする。巣は、数本のアシの茎にまたがって作られ、イネ科植物の葉や茎などでコップ形につくる。産卵期は5~8月、卵数は4~6個。カッコウの生息する地域では、しばしば托卵の相手に選ばれる。
  • 小林一茶の俳句
    ぎょうぎょうし 口から先に生まれたか
    ぎょうぎょうし 大河はしんと 流れけり
コヨシキリ
  • 小型のヨシキリ類・コヨシキリ(スズメ目ヨシキリ科)

     口内は黄色で、白く明瞭な眉斑の上の黒い線が目立つ。夏鳥として九州以北に渡来する。平地から山地の草原、高原、湿地など開けた場所に棲息。オオヨシキリより、やや乾燥した草原にも多い。全長13cm、翼開長19cm。
  • ・・・「キリキリ」「ピチュピチュ」「ピピピピ」「ビュビュビュビュ」「チュチュチュチュ」など、いろいろな声を織り交ぜ、賑やかにさえずる。オオヨシキリより甲高い声でさえずる草原のさえずり名人。 
  • 生 活・・・草の茂みの中を移動してバッタやコオロギ類、ガの幼虫、クモ類を捕食する。低木の枝や草の茎に、イネ科植物の茎や葉などでコップ形の巣をつくる。産卵期は6~8月、卵数は4~6個。
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「身近な鳥のふしぎ」(細川博昭、ソフトバンククリエイティブ)
「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)