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野鳥シリーズ73 トラフズク

  • 長い羽角と橙色の目をもつトラフズク(フクロウ目フクロウ科)
     ウサギのような長い羽角と橙色の目が特徴のフクロウ類。本州中部以北の平地林から山地林で局地的に繁殖する。樹洞のほか、カラスやタカ類の古巣を利用することもある。積雪が多くなると、南の雪の少ない地方へと移動し、数羽から数十羽の群れで人目につきにくい常緑樹などをねぐらに越冬する。夜間は、ネズミなどの小型ほ乳類、昆虫類などを捕食する。
  • 写真提供:髙久 健氏 ブログ「ケンさん探鳥記
  • 特徴・・・ウサギの耳のように長い羽角と明瞭な顔盤、橙色の虹彩が特徴。体下面は、黒く太い縦斑と細かい横斑がある。 
  • コミミズクとの見分け方・・・トラフズクの目は橙色で木の上で休むのに対して、コミミズクは目が黄色で地面の上で休む。 
  • 全長 38cm 
  • 名前の由来・・・体の模様が虎斑になっていて、長い羽角をもつミミズク類であることから。 
  • 長い耳のような羽角は、飾り羽で聴覚機能はない。耳は、顔の左右にある。円盤状の顔盤で効果的に集音し、上下左右が非対称な耳で、獲物の位置を立体的に探査することができる。 
  • ・・・春の夜、「ウォ、ウォ、ウォ」と低い声で鳴く。♀は「ミャー、ミャー」とネコのような声で鳴く。 
  • 食性・・・ネズミやモグラなどの小型ほ乳類、昆虫類、小型の鳥類などもエサとする。 
  • ペリット・・・フクロウ、タカなどの肉食性の鳥は、消化できなかった物を吐き出す。この嘔吐物をペリットという。越冬したトラフズクのねぐらの下には、ペリットが山積みになる。それを採集したペリット調査によれば、ネズミ、コウモリ、モグラなど、その周辺にいるほぼ全ての小型ほ乳類の残骸が出てくるという。 
  • ・・・カラスやタカ類の古巣を利用するほか、稀に地面のくぼ地にも営巣する。4~6卵を産む。
  • 巣立ちヒナ
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
  • 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
  • 「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版)
  • 「森の野鳥を楽しむ101のヒント」(社団法人・日本林業技術協会、東京書籍) 
  • 写真提供:髙久 健氏 ブログ「ケンさん探鳥記