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野鳥シリーズ79 コルリ

  • 小さいが青と白のツートンカラーが美しいコルリ(小瑠璃、ヒタキ科)
     日本で見られる青い鳥の代表は、本種のほかオオルリ、ルリビタキの3種。ともに青いのは♂だけで、♀は地味な褐色である。夏鳥として中部以北に渡来。山地から亜高山帯の針葉樹林、落葉広葉樹林に生息し、林床に笹が生い茂る環境を好む。春と秋の渡りの時期には、平地林や公園でも見られる。姿は見せず、笹薮でさえずり、採食活動はほとんど地上で、主に昆虫類を捕食する。
  • 写真提供:髙久 健氏 ブログ「ケンさん探鳥記
  • ♂の特徴・・・青色と白色のツートンカラーが美しい。目先から頬、首の脇は黒っぽい。足は長く地上行動向きである。 
  • ♀の特徴・・・頭部から尾羽は緑色を帯びる褐色で、体下面は色が淡く、黄色みがある。眼の周りは白い。 
  • 名前の由来・・・オオルリより小さく、背の色がきれいな瑠璃色をしていることから。
  • 全長 14cm 
  • ・・・繁殖期、♂はヤブ陰の横枝に止まって、「チッチッチッ‥」と前奏があり、「ピールリピールリピールリ」とか「チーチョベチーチョベチーチョベ」などと変化に富むさえずりをする。地鳴きは「チッチッ」。 
  • 生息場所・・・主に笹薮のあるブナ林などの落葉広葉樹林に生息する。下ヤブの中で行動するので、姿を見ることは少ない。早朝なら数mの高さの樹上でさえずっている姿を見るチャンスがある。 
  • 食性・・・地上を跳ね歩いたり、ヤブを伝いながら主に昆虫やクモなどを捕らえる。 
  • 繁殖期・・・春、繁殖地にやってきた♂は、2~3羽で地上を歩きながら張り合うようにさえずり、やがて縄張りが確定すると分散していく。♀の前では、頭と尾を真上に伸ばし、喉の白さを自慢するようにジクザクに歩くというディスプレイが観察されている。 
  • 営巣・・・草木の根元、倒木の下などの地上に、落葉、蘚類、枯れ枝などを材料に椀形の巣をつくる。
  • 産卵・・・5~7月、卵数3~5個。時にジュウイチの托卵を受ける。
  • 抱卵、抱ヒナは♀が行うが、♂は♀のもとにエサを運ぶ。
  • 給餌・・・ヒナへの給餌は、♂と♀が共同で行う。 
  • コルリの水浴び
  • 秋の渡り・・・8月下旬には山を下りはじめ、平地の林を通過して、9月下旬にはほとんど南方へ渡る。
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
  • 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
  • 「身近な鳥のふしぎ」(細川博昭、ソフトバンククリエイティブ)
  • 「鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)
  • 「くらべてわかる野鳥」(叶内拓哉、ヤマケイ文庫)    
  • 写真提供:髙久 健氏 ブログ「ケンさん探鳥記