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野鳥シリーズ91 ムナグロ

  • 胸が黒いムナグロ(胸黒、チドリ科)
     夏羽は、胸が黒く、上面は黄褐色と黒の斑模様の大形チドリ類。ユーラシアと北米大陸で繁殖し、主に旅鳥として春と秋の渡り期に渡来する。春は数百羽の群れで見られる。西南日本では越冬する個体もあり、小笠原諸島や沖縄諸島では普通に越冬している。渡りの時期や越冬時は、水田や草原、干潟、河原、河口などに生息する。食性は、昆虫類や甲殻類のほか、草の実をついばむことがある。
  • 夏羽の特徴・・・顔から胸、腹まで黒く、それを縁どるように額から続く白い帯状の模様がある。頭から体上面は、黄褐色と白黒の斑模様になっている。 
  • 名前の由来・・・夏羽の胸が黒いことから、「胸黒」と書く。 
  • 別名・・・黄色っぽい斑紋の目立つ姿を麦わらに例えて「ムギワラシギ」とか、「キビョー」と鳴くことから「キビシギ」、あるいは「アイグロシギ」などと呼ばれている。 
  • 英名・・・黄色っぽい斑紋を金色に例えて「金色の千鳥」と呼ばれている。 
  • 幼鳥や成鳥の冬羽は、夏羽とはまるで違う・・・全体に黄褐色みが強く、翼の下面が白っぽい。 
  • ・・・飛翔中は、「ピョピョー」、「キビョー」などと鳴く。「チュチュイー、チュチュイー」と鳴くこともある。
  • 生活環境・・・ダイセンよりもやや乾いた環境を好み、干潟や砂浜、水田、ハス田に飛来する。また畑や草地、川原などでも見られる。数十羽の群れで行動していることが多い。春の渡り期には、近づき過ぎた個体同士で争いがよく見られる。 
  • 食性・・・主に地上や草地にいる虫、飛んでいる虫など昆虫類を捕食する。干潟では、甲殻類やゴカイなどもよく食べる。草の実もついばむことがある。 
  • 採餌方法・・・立ち止まってエサを探し、駆け寄って捕らえることを繰り返す。立ち止まった時、頭を上下させる習性がある。 
  • ・・・ツンドラ地帯の地上につくる。卵数は通常4個。抱卵日数約26~27日。 
参 考 文 献
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
  • 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
  • 「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)