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散策コース、文化の館、鳥獣保護舎、水鳥観察舎、鳥のみつけ方、仁部富之助、三平の家、ネコバリ岩、清流の森
 「環境と文化のむら」は、敷地面積約52haの広大な里山と点在する池周辺に数多くの散策コースが設けられ、野鳥観察ステーションや愛鳥広場、愛鳥山荘などが整備されている。

 この一帯は、国の「野鳥の森」に指定されており、様々な野鳥のさえずりを聞くことができるほか、バードウオッチングなども楽しむことができる。エリア全体のインフォメーション機能を持つ「自然ふれあいセンター」には、指導員が常駐しているので、里山の動植物や昆虫などの解説も受けられる。
位置図 google地図 五城目町ガイドマップ
お問い合わせ
〒018-1723 南秋田郡五城目町上樋口4字山田沢156-1
秋田県環境と文化のむら・秋田県鳥獣保護センター 電話 018-852-2134

アクセス
秋田市より車で60分
環境と文化の村散策マップ(パンフレット)

 お手軽コース(上図の青線ルート+α)・・・駐車場②文化の館①自然ふれあいセンター33・シジュウカラの森鳥獣保護舎32・水鳥池・野鳥観察ステーション31・カエル池12・愛鳥広場11・愛鳥山荘1416・二階堤駐車場 約1.5km、約45分

 野鳥観察コース(上図の赤線ルート)・・・駐車場ふれあい広場2122302928273132ふれあい広場駐車場 2.1km、約70分
文化の館

 中山遺跡(縄文時代)や岩野山古墳群(奈良・平安時代)から発見された日常品、装飾品、番楽のお面、五城目焼きなどの文化財を展示している考古歴史資料館である。館内には、職員がいるので、簡単な説明を聞くことができる。
▲番楽のお面 ▲山内番楽

五城目町の番楽

 番楽は、中世からの芸能で山伏神楽とも呼ばれ、五城目町に濃密に伝えられている。県内で最も古いと言われる山内番楽のほか、中村番楽、西野番楽、恋地番楽が、それぞれの集落で演じられている。5月の五城目神明社祭典の宵宮には競演会が行われている。
 五城目神明社祭典の宵祭りに行われる番楽のお面は、菅江真澄が描いたもの(左の図絵)と同じであるといわれている。
菅江真澄「番楽」(1809年7月13日、五城目町山内番楽「ひなの遊び」)
 「(番楽は)、修験者がもっぱら演じている。神官が舞う村もある。このような舞を岩手、宮城地方では神楽といい、青森東部では能舞とよび、この秋田では舞曲(あそび)と、もっぱらいっている。楽(あそび)という言葉は最も古いものである。番楽は蛮楽かという人もあるが、十二番の神楽をいうのであろう。」
自然ふれあいセンター

 木の橋を渡り、階段を上ると、自然ふれあいセンターがある。環境と文化のむらのメイン施設で、鳥獣保護センターを兼ねている。研修室(80人収容)と工作室(30人収容)がある。動植物や昆虫、里山の自然などに詳しい指導員がいるので、解説や案内が受けられる。
▲散策路案内標柱 ▲シジュウカラの森の散策路 ▲巣箱
▲猛毒・ニガクリタケ ▲カワラタケ ▲カイガラタケ
▲ムラサキシキブ ▲紅葉

春から秋のみどころ

 春・・・フキノトウやスミレ、カスミザクラの花、コナラの芽吹き、オオルリやキビタキ、サンコウチョウの観察、アカゲラが木を突っつく音、サナエトンボの仲間も飛び交う。

 夏・・・ヤマユリの花、ニイニイゼミやヒグラシ、ツクツクボウシの賑やかな鳴き声、クワガタやアオカナブンなどの昆虫、夜はヘイケボタル(文化会館付近)、ゲンジボタル(カエル池周辺)が飛び交う。

 秋・・・クリやドングリが落ちる音、ナツハゼやミツバアケビの実、様々なキノコ、そして鮮やかな紅葉。
鳥獣保護舎

 ケガをした鳥や獣を保護している施設。元気になった個体は適切なリハビリを行い、捕獲した付近で放野(放鳥・放獣)を行っている。
水鳥池・・・野鳥たちがたくさん集まっていた
野鳥観察ステーション

 野鳥観察舎の中に入って小さな戸を開けると、野鳥たちに気付かれることなく観察や写真を撮ることができる。
▲シジュウカラ ▲アカゲラ

鳥のみつけ方

 まず耳をすましてみる。さえずりが聞こえた時には、木の頂をひとつひとつ確認してみる。鳥は、目立つところで自分をアピールして歌うものが多い。

 双眼鏡は7~8倍ものが便利。ふつうは、双眼鏡で鳥を見つけ出すのではない。肉眼で発見したものを双眼鏡で拡大してみるのである。その際、発見した視線を動かさずに、手元を見ないで双眼鏡を目に当てるのがコツである。
愛鳥広場・・・炊事場やトイレを備えた芝生の広場で、キャンプやレクレーションが行える。
 愛鳥広場から階段を上ると、愛鳥山荘へ
愛鳥山荘

 野鳥のはく製がたくさん設置されているので、間近に野鳥の姿、形を観察することができる。愛鳥週間前後には、パードウォッチングが開催される。トイレもあるので、散策途中の休憩に使うと便利。
野鳥観察の元祖「仁部富之助」

 「野鳥日誌」は、大正3年~昭和20年まで30余年にわたり書き綴られた。その成果は、鳥獣関係の学会誌に調査報告書として発表された。また、昭和11年、日本で初めての鳥類生態誌「野の鳥の生態」が単行本として出版され、今でも多くの人々に読み継がれている。
▲二階堤

 アヤメの仲間のノハナショウブやミツガシワが見られる。周辺ではサラサヤンマやカルガモ、カイツブリ、アオサギが見られる。
ちょっと寄り道「釣りキチ三平の家」(五城目町北ノ又集落)

 2008年8月、実写版映画「釣りキチ三平」の撮影が、五城目町北ノ又集落、ネコバリ岩周辺で行われた。三平の家は、坂道の高台にある茅葺民家。茅葺き民家が残る北ノ又集落は、1987(昭和62)年に公開された映画「イタズ-熊-」のロケ現場にもなっている。

■位置図 google地図
 現在、三平家は空き屋になっているが、映画撮影記念として整備され、撮影の様子を写した写真パネルや出演者のサイン色紙、原作者・矢口高雄さんのカラーサイン色紙などが飾られている。管理人は、この家の持ち主・潟上市の近野俊一さんで、どんな質問にも丁寧に応えてくれる。

■公開期間 4月上旬~11月中旬
■開放時間 午前9時~午後5時、入場無料
▲黄葉と枯れすすき
ネコバリ(根古波離)岩

 この周辺で渓流を遡行するシーンの撮影が行われた。ネコバリ岩は、高さ約6メートルの巨岩の上に根を張った巨木の森・・・その根が波のように張って離れた地面とつながっていることから「ネコバリ岩」と名付けられた。
▲盆城庵

 古民家を復元した茅葺の家で、山村生活を体験できる一日一組限定の自炊の宿。冬季(12月~3月)は休館。

問い合わせ
農家レストラン「清流の森」 電話018-853-2577
五城目町商工観光課 電話018-852-5222
▲一本杉(五城目町指定天然記念物)
 帝釈寺集落入口の道路わきに一本立っているスギの巨樹。根元には庚申塔などがあり、今なお信仰されている神木である。ここは、廃寺になった帝釈寺の参道入り口に当たっていたという。
農家レストラン 清流の森

 農家レストラン「清流の森」は、盆城庵の隣に2010年4月24日にオープンした。かつては杉沢小中学校の北ノ又冬季分校だった建物を改装して農家レストランに生まれ変わった。木漏れ日が射し込む格子戸の窓から、四季折々変化する「清流の森」を眺めながら食べるレストランは、ここしかない最大のご馳走である。

位置図 google地図
お問い合わせ 農家レストラン「清流の森」 電話018-853-2577

●アクセス   五城目町八郎潟ICより車で約30分
●開館時間   8:30~17:00 (食事提供は11:00~15:00)
●定休日    木曜日 (冬期休館12月~3月)
●駐車 約12台
▲清流定食(コーヒー付き、千円)  ▲炊込みセット(800円) 

 2013年11月2日、「人生の楽園」で「清流の森」が放映された直後は、行列ができ、昼食を食べられなかったお客さんもいたほど人気が爆発したという。地元のお母さん方が提供する絶品メニューは・・・清流定食(1000円)、炊込みセット(800円)、だまこ鍋(700円)の3種類。季節によってメニューは変わる。
参 考 文 献
「森の野鳥観察 鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ、主婦と生活社)
「菅江真澄遊覧記5」(内田武志・宮本常一編訳、平凡社ライブラリー)