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モリエールあきた

 ブナなどの広葉樹の枯木や倒木に発生する。ナメコ採りの最中に良く見かける。大群生に出会うことは少なく、収穫量は比較的少ない。傘の中央部に灰褐色の大理石模様があるのが最大の特徴である。誰もが知っている栽培品のブナシメジに比べると、遥かに大型になる。
発生時期等

 秋~晩秋にかけて、ブナ、トチノキ、カエデなどの枯れ木、倒木に発生する。優秀な食菌で人工栽培され、かつて栽培品を「ホンシメジ」と偽って混乱させたが、現在は「ブナシメジ」の正式名称で流通している。
▲栽培品の「ブナシメジ」
ブナシメジの特徴

 傘の中央部に灰褐色の大理石模様がある。傘は初め半球形から平らな山形に開く。色は周辺部にいくにつれて淡くなる。日陰に生えたものは純白色のものもある。天然のブナシメジは、人工栽培品よりずっと大型でしっかりした肉質で、風味も高い。
▲乾燥して変形、ひび割れを生じたブナシメジ
▲折り重なるように群生することは、意外に稀である。
ブナシメジ料理

 独特の甘い香り、まろやかで優しい旨味のある出汁が出る。歯ごたえも良い。味噌汁、天ぷら、和え物、煮物、炒め物、炊き込みご飯、マリネ、グラタンなど、和・洋・中華何でも合う。

きのこ料理のコツ

 きのこは、沸騰してから入れるのではなく、水から入れると美味さがぐっと引き出される。NHKの「ためしてガッテン」によれば、60~70℃の間をなるべくゆっくり通過するよう加熱するのがベストだという。
保存・・・小分けにして冷凍用の保存袋に入れて冷凍する。天日干し。

うまみが増す保存その1「冷凍」(NHK「ためしてガッテン」)

 冷凍保存は、簡単かつ便利なだけでなく、細胞が壊れて、うまみが作られやすくなるという。いずれのきのこも、冷凍のポイントは、

①食べる大きさに切る、あるいは裂き、小分けにして冷凍する。
②調理のときは、解凍せず、凍ったままで加熱する

うまみが増す保存その2「天日干し」(NHK「ためしてガッテン」)

 きのこを干すと、冷凍と同じく細胞が壊れて、うまみが作られやすくなるという。天日で干す場合は、1日では足りず、二日間ほど干す必要がある。
薬効

高血圧予防・・・体内の余分なナトリウムを排出し高血圧予防に効果があるとされるカリウムを多く含む。
便秘改善・・・整腸作用のある不溶性食物繊維を多く含む。
心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、冷え症予防・・・血行をよくし冷え症対策によいとされるナイアシンや、エネルギーの代謝をサポートするパントテン酸も比較的多く含む。
抗がん作用、風邪予防・・・「βグルカン」は免疫力を高める作用がある。
その他・・・カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富疲労回復に良いビタミンB1、皮膚を整えるビタミンB2を比較的多く含む。
アケボノサクラシメジ

 9月~10月、ブナ林内の地上に群生する。ブナ林特有のきのこの一つで、サクラシメジより大形で、全体的に白っぽく、姿、形が美しい。採取のコツは、一つ見つけたら、周辺を探すこと・・・写真のように列をなして生えている。
特徴

 傘は淡いピンク色で、中央がやや濃く粘性がある。茎も白いが、根元部分は黄色を帯びる。
料理

 サクラシメジと同様、匂い、苦味など少しクセがある。湯がいたり、塩蔵してから調理する。酢の物、煮物、雑炊、油炒め、ホイール焼きなど。
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本のきのこ」(山と渓谷社)
「キノコ狩りガイドブック」(伊沢正名、川嶋健市共著、永岡書店)
「きのこの見分け方」(大海秀典他、講談社)
「家庭でできるキノコづくり」(大貫敬二著、農文協)

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