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昆虫シリーズ㉚ トンボの仲間その1 赤とんぼ

  •  日本人は、世界一のトンボ好きと言われている。それを象徴する「夕焼け、小焼けの、赤とんぼ・・・」という日本人が大好きな童謡がある。この「赤とんぼ」の歌は、国際トンボ学会の学会歌に制定されるほど、世界のトンボ研究者の愛唱歌になっているというから驚きである。この歌に出てくる「赤とんぼ」とは、アキアカネ、ナツアカネなど「アカネ属」に含まれるトンボが代表種である。しかしアカネ属ではないが、赤いので「赤とんぼ」と呼ばれているものに、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、ハッチョウトンボなどがある。
  • INDEX アキアカネナツアカネノシメトンボハッチョウトンボ ヒメアカネミヤマアカネショウジョウトンボウスバキトンボ
  • 日本人の好きなトンボ(「虫と文明」ギルバート・ワイルドバウアー)・・・「何千年も昔から、日本人はトンボやイトトンボといった昆虫を愛でてきたが、世界中のどこででも、トンボが人気者だったわけではない。イギリスや北米では-ごく最近まで-一般には黙殺され、何の害もなさないのに、恐れられることさえあった」・・・それでは何故日本人は、世界一トンボ好きになったのだろうか?
     (写真:チョウトンボ)
  • 「どくとるマンボウ昆虫記」・・・「狭い島国にしては、わが国にはトンボの種類がはなはだ多い。そしてトンボは男女老若を問わず人気のある虫だ。その清潔な姿、そのスピード感、いかにも五月のさわやかな風のなかから生まれてきたようなところがある。セント・ヒエロニムスもサジを投げるであろう大目玉も、決して滑稽感を伴わない」 (写真:オニヤンマ) 
  • 稲作と赤トンボ
    1. 稲作を始める以前の赤トンボは、湿地帯や自然の池、里山の川に生息していたと考えられている。弥生時代以降、水田をどんどん増やしていったことによって、アキアカネやナツアカネの個体数が増えていったと考えられている。
    2. 稲を育てる田んぼは、トンボにとって良好な生息環境を提供している。だから田んぼには、夏から秋にかけてトンボが飛び交っている。水田に水を供給するため池やかんがい用水路も、トンボの棲み家になっている。
    3. トンボは、稲の害虫ウンカなどを食べてくれる。煩わしい蚊の幼虫・ボウフラもトンボのヤゴが食べてくれる。だから稲作を基幹産業としてきた日本人にとって、トンボは頼もしい益虫であったと言える。
    4. 赤とんぼが、歌に詠まれるほどたくさん見られるのは、手つかずの自然ではなく、古代から稲作農耕を進めてきた結果、今でも「日本はトンボの国」と呼ばれているのである。 
  • トンボのハネ・・・ハネは薄くて軽いほど、飛びやすい。トンボのハネは、透明で薄くてペラペラだが、よく見ると、網目模様のように細い筋が入っている。これは葉っぱと同じで、ハネを支える骨組みの役目をしている。この筋を「翅脈(しみゃく)」という。この脈の中に血が通っているお陰で、軽いハネは柔軟で折れにくい。またハネの表面は、微妙なデコボコがあって、空気をうまくつかむことができる。最近では、トンボのハネをヒントに、発電効率の良い風車がつくられている。 
  • 不完全変態・・・トンボは、卵から幼虫、成虫へと成長する。サナギの期間をもたない不完全変態の昆虫である。卵は、種類によって水の中へ直接産み落としたり、水辺の植物や泥の中に産み付けたりとさまざま。孵化した幼虫は、水中の小さな昆虫を捕食し、数回から十数回の脱皮を繰り返して成長する。幼虫期間は、種によって約1ヵ月から数年にわたるものもいる。最後の脱皮は、水辺の木の枝や石などに上り、羽化して、生活の場を水中から空中へとダイナミックに変化させる。 
  • トンボの羽化とミウラ折り・・・ミウラ折りは、1970年に東大の三浦博士が考え出した折り方。博士は、飛行機などが壊れる仕組みを研究していた時、筒形のものを縦につぶしてできた模様からミウラ折りを思いついた。この特徴は、一瞬で開いたり閉じたりできること。最近、トンボが羽化する前のハネは、ミウラ折りと共通する折り方で折りたたまれ、根元から効率よく開いていくことが分かった。これは昆虫だけでなく、広葉樹の若葉が開く前もミウラ折りでたたまれていることが分かった。 
  • トンボは肉食ハンター・・・大きな複眼と鋭く大きな牙、頑丈でたくさんのトゲが生えた脚は、空中で小さな昆虫を見つけて捕らえ、かみ砕くためのもの。水の中に暮らす幼虫時代も、ミジンコやイトミミズなどの小さな昆虫を食べて成長し、大型種はオタマジャクシや魚まで捕食する。トンボは生涯を通して優秀な「肉食ハンター」なのである。 
  • 赤とんぼの生息環境
    1. 水田、水田の畦回し、水路・・・アキアカネ、ナツアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ウスバキトンボ
    2. 水田近くの緩やかな細流(きれいな水)・・・マユタテアカネ、ミヤマアカネ
    3. 草丈が低く日当たりの良い湿地になった休耕田・・・アキアカネ、ナツアカネ、ヒメアカネ、オナガアカネ、マイコアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ハッチョウトンボ
    4. 平地、丘陵地で水面の開けた池沼・・・ノシメトンボ、コノシメトンボ、ショウジョウトンボ、スバキトンボ
    5. 丘陵地の木立のある明るい池・・・マユタテアカネ、リスアカネ、キトンボ
    6. 高層湿原・・・ムツアカネ、ハッチョウトンボ
アキアカネ
  • アキアカネ(トンボ科)
     北海道から九州まで広く分布し、アカネ属の中でも最も普通に見られる日本固有種。夏、山で見かけるオレンジ色の赤とんぼが本種。6月下旬~7月上旬に羽化し、山の上など標高の高い所で夏を過ごし、秋に里へ降りてくる。♂は真っ赤に体色を変え、♀と交尾し、産卵する。日本人に最もなじみ深いトンボの一つだが、近年は、何と全国各地で激減しているという。その原因は、田植えの際、育苗箱に用いられる殺虫剤にあるらしい。
  • 見分け方・・・胸側第1条は太く顕著で上の端が尖って終わる。成熟すると♂は腹部が赤くなるが、ナツアカネなどの類似種と違って、頭部と胸部が赤くならない。
  • 全長 ♂32~46mm、♀33~45mm。
  • アキアカネの一生
    1. 秋になると、アキアカネは水田や湿地にやって来て卵を産む。個体数が多いと、上の写真のように集団での産卵もみられる。生殖活動は午前中から正午過ぎに集中する。卵のままで冬を越し、翌年の4月頃に孵化する。
  • 田んぼでの産卵・・・稲が実っている田んぼで、2匹がつながって飛んでいるのは、ノシメトンボか、ナツアカネである。アキアカネの産卵は、稲刈りが終わってから。前日に雨が降って、田んぼに水たまりがあると、観察には最適である。2匹がつながったアキアカネが次々とやってくる。前が♂で後が♀。♂がヨイショという感じで体をスナップすると、♀がお尻の先を水たまりに打ち付け産卵する。これを打水産卵という。♀単独での産卵も多い。
  1. 幼虫のヤゴは、ユスリカなどを食べて殻を脱ぐたびに大きくなり、6月か7月に水草に這い上がって羽化する。
  1. 羽化した成虫は、一斉に山に向かって飛び立ち、夏の間涼しい山の上や渓流で過ごす。その間、成熟した♂は真っ赤になる。(写真:イワナが生息する源流部のアキアカネ)
  • 夏でも涼しい渓流や山では、群れ飛ぶアキアカネによく出会う。それを象徴する句を一句・・・漫画家・矢口高雄さんは、日本の古典「奥の細道」を描く際、取材の折月山で詠んだ句である。(写真:秋田駒ケ岳大焼砂)
    月山や 前にうしろに アカネ連れ 矢口高雄
  1. 秋風が吹く頃、一斉に山を下り、平地で交尾し、水田や湿地に戻ってきて産卵する。産卵を終えた♂と♀は、冬が来るとみんな死んでしまう。
  • 交尾はハート形・・・赤い♂の生殖器は、腹部の付け根にある。♀は腹部の先端にある。交尾の時は、♂が腹部の先端で♀の首をつかみ、生殖器をくっつけるので、ハート形になる。
  • 全国でアキアカネが激減している要因・・・近年、半数以上の府県で1000分の1に激減しているとも言われている。宮城大学の神宮字寛さんは、ライシメーターという水田に模した装置で、育苗用殺虫剤のアキアカネ幼虫への影響を調べた。すると、プリンスという殺虫剤を用いた場合、全く羽化が見られなかった。ネオニコチノイド系の殺虫剤も、30%ほどの羽化にとどまった。一方、古くから使われているパダンは、使用しなかった場合と差がなく、ほとんど影響がないことが分かった。
ナツアカネ
  • ナツアカネ(トンボ科)
     アキアカネは、田んぼで羽化するとすぐに山に移動してしまう。ナツアカネは、生まれた田んぼ周辺で活動している。ナツアカネの♂は、特に赤くなり、目玉まで赤く色づく。北海道から九州まで広く分布するが、地域によっては減少しているという。
  • 見分け方・・・胸側第1条は太く、気門の少し上で直角に断ち切られている。成熟すると♂は、頭、胸、腹の全体が鮮やかな赤色になる。♀は成熟すると腹背が真っ赤になる個体もあり、老熟すると褐色になる。 
  • 生態
    1. 抽水植物の繁る池沼や水田に生息し、羽化した未熟個体は神社や森の木立の中の風通しの良い日陰の枝などに止まって夏を過ごすことが多い。
    2. 秋になって成熟すると♂は湿地や水田の上を飛び回る。産卵は主に連結して飛びながら水のたまっていない湿地に空中からパラパラと卵を振り落として行う。♀が単独で行う場合もある。 
ノシメトンボ
  • ノシメトンボ(トンボ科)
     ハネの端がこげ茶色の斑紋をもつ大型の赤トンボで、アカネ属の代表種。♂は、成熟してもあまり赤くならない。北海道から九州まで広く見られる。広々とした水田地帯や湿地、開放的な池に生息し、大群で飛来することもある。国内の種では、リスアカネ、ナニワトンボと近縁である。クリプトンの森では、最も個体数が多いトンボである。
  • 全長 ♂37~51mm、♀39~52mm。
  • 見分け方・・・胸側第1条は太く上端に達している点が見分け方のポイント。ハネ端の褐色斑が特徴的だが、東北や北海道では、この褐色斑が消失傾向にあるものが記録されている。ハネ脈は黒色、縁紋は黒褐色。成熟♂の地色は、茶褐色で一見黒っぽく見える。 
  • 産卵・・・稲が実っている田んぼで、2匹がつながって飛んでいるのは、ノシメトンボかナツアカネ。ノシメトンボは、♂と♀が連結して緩やかに飛びながら腹端を振って卵を田んぼにまき散らす。中には全く水のない草原の上で産卵するものも見られるという。
ハッチョウトンボ
  • ハッチョウトンボ
     体長は約2cmと小さく、日本ではもちろん、世界一小さいトンボと言われている。♂は成熟すると全身が真っ赤になる。♀は黄色、褐色、黒色の縞模様。日当たりが良く草丈が低いミズゴケやモウセンゴケのある湿地に生息する。休耕田や廃田になって数年経つと、急にハッチョウトンボが多数見つかることがある。しかし、その後陸地化が進むと姿を消すパターンが各地で見られるという。八塩山麓(由利本荘市東由利町)では、休耕田に湧水が流れ込むよう水路を設け、年数回の草刈りを行うなどハッチョウトンボの保全活動が行われている。本州から九州にかけて広く分布するが、産地はやや限られる。
  • 全長 ♂♀とも17~21mm 
  • ♀は縞模様で赤くならない。
  • 「ボクの学校は山と川」(矢口高雄)・・・底無し沼の極小トンボ
     「底無し沼だ!!」 思わずヒザがガクガク震えた・・・「もうダメだ。やっぱりくるんじゃなかった。帰ろう」
     震えながら、足元を確かめるようにもときた道へ踏み出した。一歩踏み出したとたん、フッと眼に残像がよぎった。何か沼の岸辺に飛びかうものがいる感じである・・・たしかに飛んでいる。しかもそれは小さい。
     「ハチかな・・・アブかな」 手には幸い捕虫網があった・・・ボクはその網を一振りした。確かにそれは入った・・・トンボだった。しかもそれはただのトンボではなく、体長二センチ足らず、両羽根を広げても三センチほどの極小トンボだったのである・・・
     「新種発見だーっ!!」「タカオトンボを発見したぞーっ!!」
     大声でわめきながらボクは一気に斜面を駆け下りた。翌朝、ボクは登校するなり図書室にかけこんだ。そして期待を胸にふくらませながら図鑑をめくった。数分後、ボクはうなだれて図書室を出た。ハッチョウトンボ――図鑑には夢を打ち砕くようにそう記してあった。 
  • 和名の由来・・・江戸時代の「虫類写集」の中で「矢田鉄砲場八丁目にのみ発見せられ」るので、「八丁蜻蛉」と名付けられたと記されている。 
  • 生息環境・・・水深10cm前後の日の当たる湿地帯で、草丈が20~30cmの所に生息。ハッチョウトンボは小さく、飛ぶ力が弱いので、草丈が長いところには生息しない。だから休耕田を利用した保全活動では、草刈りが欠かせない。
  • 交尾・産卵・・・交尾は主に午前中に行われ、数分程度で終わる。交尾後、♀は単独で浅い水面上を低く飛びながら薄緑色の卵塊をつくり、時折打水して産卵する。♂は付近で警護することが多い。 
ヒメアカネ
  • ヒメアカネ(トンボ科)
     小さな赤とんぼで、腹部だけが赤くなる。ハネの脈は黒色で、顔面は青白色。草丈の低い日当たりの良い湿地や廃田に生息する。産卵は、♂と♀は連結する場合と♀単独の場合がある。湿地の泥の中に生殖弁を差し込むようにして産卵する。国内の種では、コノシメトンボ、マユタテアカネ、マイコアカネと近縁で、マユタテアカネとの間に種間雑種もみられる。全国的に分布するが、産地はやや限られる。
ミヤマアカネ
  • ミヤマアカネ(トンボ科)
     ハネの先端から少し内側にこげ茶色の帯があり、飛んでいるときに車輪が回っているように見えることから「車トンボ」と呼ぶ地方もある。♂、♀ともに胸部側面に黒い線がない。♂は成熟すると全身が赤くなる。ハネには縁紋あたりに黒い帯があり、その先は透明になっている。この黒い帯は成熟すると赤茶色になる。アカネ属のトンボはほとんど止水性だが、本種は流水性である。名前に深山がつくが、実際は山に囲まれた里山に多く見られ、河川敷や水田脇の細い流れで幼虫が育つ。 未成熟個体は、水辺から少し離れた草地などにいることが多く、しばしば群れをなす。全国的に分布するが、地域によっては減少しているという。
  • ・・・橙褐色の個体が多いが、赤みが強くなる個体もいる。
  • 全長 ♂♀とも30~40mm
  • 見分け方・・・ハネの先端から少し内側に褐色の帯があり、ハネ脈は赤みを帯びる。縁紋は乳白色で、成熟♂は真っ赤になる。全体に斑紋はなく、眉斑、胸側面の黒条はない。
  • 交尾・産卵・・・成熟♂は、水辺に止まって縄張り占有し、♀を見つけると周囲の植物に止まって交尾する。交尾後む、ペアは連結したまま浅い流れを訪れ、水面が泥面を腹端で打って産卵する。♂の警護飛翔を伴いながら、♀単独で産卵することもある。
ショウジョウトンボ
  • ショウジョウトンボ(トンボ科)
     アカネ属のトンボは秋に成熟するが、ショウジョウトンボは真夏に繁殖期を迎えるので「夏の赤トンボ」とも呼ばれている。ショウジョウ(猩々)とは、中国の伝説上の動物で、人の言葉が分かり、赤い顔をした猿だとされている。その赤い顔をした「猩々」にちなんで「猩々トンボ」と名付けられた。盛夏に池で見る真っ赤なトンボは、本種と思って間違いない。
  • 全長 ♂41~55mm、♀38~50mm
  • 見分け方・・・腹部は扁平で幅広く、第4~6節あたりが最も広がっていて、アカネ属とは一見して区別できる。♂は成熟すると、全身が真っ赤になり、池の上を忙しく飛び回ったり草の上に止まったりして♀を待ち受ける。ハネ脈は褐色、縁紋は黄褐色、前ハネの基部と後ハネの三角室内縁までに橙赤色の斑紋がある。
  • 生態・・・抽水植物と沈水植物が多く水面の開けた平地の池を好み、成熟♂は抽水植物の葉などに止まり♀を待つ。他の♂が近づくと執拗に追い回す。♀が産卵に現れると、♂は連結し、すぐに飛びながら交尾する。♀は水面に腹端で打って単独で打水産卵する。交尾→産卵→交尾→産卵を繰り返すこともある。
ウスバキトンボ
  • ウスバキトンボ(トンボ科)
     和名は、薄いハネの黄色いトンボであることから。成熟しても赤くならない。胸側面に黒色条がないのも特徴。初夏~秋に見られ、特に盛夏に多い。真夏に水田、空き地、草原などの上空をゆっくりと群れ飛んでいるオレンジ色のトンボが本種。♂、♀ともにぶら下がって止まる。平地や丘陵地の池や水たまりに産卵し、水泳シーズンが終わったプールで幼虫が大発生することもある。世界で最も広く分布するトンボで、成虫は移動性が強く、全国各地でみられる。
  • 全長 ♂44~52mm、♀45~54mm
  • 渡りをするトンボ・・・ウスバキトンボは、他の赤トンボより一回り大きく、ハネの幅が広い。トンボの中でも特に飛ぶのが上手で、「渡り」をするトンボとして知られている。日本には、春の初め、フィリピンや台湾などの南の島から飛んでくる。4月頃には四国へ辿り着き、そこで卵を産む。卵から生まれた次の世代は一ヶ月ほどで成虫となり、南東の季節風に乗って北へ北へと向かう。6月頃には関東、その後東北地方に辿り着く。秋には北海道までたどり着く。しかし、寒さに弱いから北にいるものから順番に死んでいく。かろうじて残るのは沖縄だけだという。けれども次の春になると、また新世代のトンボが飛んでくる。地球温暖化が進むと、こうした渡りを繰り返すことによって、生息分布を広げるチャンスが広がる。
  • 精霊(ショウリョウ)トンボ・・・本州では、盆の頃に群がって飛ぶことから、ご先祖様の霊がトンボに乗って盆に帰ってきたと言われ、「精霊トンボ」と呼んでいた。
  • 童謡「赤とんぼ」(三木露風作詞、山田耕筰作曲)
    夕焼、小焼の、あかとんぼ、負われて見たのは、いつの日か。
    山の畑の、桑の実を、小籠(こかご)に、つんだは、まぼろしか。
    十五で、ねえやは、嫁にゆき、お里の、たよりも、たえはてた。
    夕やけ、小やけの、赤とんぼ。とまっているよ、竿の先。
  • 一茶・・・赤蜻蛉の俳句
    暮いそげ暮いそげとや赤蜻蛉
    赤蜻蛉かれも夕が好じゃやら
    とんぼうが焼どの薬ほしげ也
    なまけるな蜻蛉も赤く成る程に
    御祭の赤い出立の蜻蛉哉
    百尺の竿の頭にとんぼ哉
    立馬の鼻であしろふとんぼかな
参 考 文 献
  • 「赤トンボのすべて」(井上清ほか、トンボ出版)
  • 「トンボ入門」(新井裕、どうぶつ社)
  • 「ボクの学校は山と川」(矢口高雄、講談社文庫)
  • 「別冊太陽 昆虫のとんでもない世界」(平凡社)
  • 「NHK子ども科学電話相談 昆虫スペシャル!」(NHK出版)
  • 「ファーブル先生の昆虫教室」(奥本大三郎、ポプラ社)
  • 「すごい自然図鑑」(PHP)
  • 「どくとるマンボウ昆虫記」(北杜夫、新潮文庫)
  • 「身近な昆虫のふしぎ」(海野和男、サイエンス・アイ新書)
  • 「子供に教えたいムシの探し方・観察のし方」(海野和男、サイエンス・アイ新書)
  • 「マンガ日本の古典25 奥の細道」(矢口高雄、中央公論社)
  • 「田んぼの生きもの図鑑 トンボ目」(社・農村環境整備センター)
  • 「日本のトンボ 改訂版」(尾園暁ほか、文一総合出版)
  • 「シリーズ新・生命の輪38 全国で激減するアキアカネ」(石川県立大学教授上田哲行)