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昆虫シリーズ55 カメムシの仲間②

  • 庭木で見られるキバラヘリカメムシ
     ニシキギ科のマユミやツリバナ、ニシキギ、ツルウメモドキなどの実や葉上に成虫・幼虫共に多数集まっていることが多い。体長14~17mm。 
  • 上から見ると黒い体色で地味だが、横から見ると腹が鮮やかな黄色い色をしているヘリカメムシ科の仲間。 
  • この虫は、悪臭で有名なカメムシ類の中では異質で、「青リンゴのような匂い」がすると言われている。成虫になるとツリバナなどの実にとりついて、仮種皮を吸汁する。 
  • かたまって過ごす幼虫 
  • 終齢幼虫 
  • 成虫と終齢幼虫 
  • 田んぼのカメムシ・・・お米が大好きなクモヘリカメムシ(上の写真)、イネホソミドリカスミカメ、アカスジカスミカメ、シラホシカメムシ類などは、斑点米の原因となる深刻な被害をもたらしている。これらのカメムシは、河川敷の土手や牧草地、休耕田、畦畔のイネ科植物で冬を越し、稲の穂が出始める頃に田んぼに移り住む。 
  • ホソハリカメムシ・・・体色は茶色で地味な色をしていて、腹部に白い縁取りがある。スズメノテッポウ、イヌビエ、イネなどのイネ科植物に寄生する。成虫で越冬する。成虫は7~9月に現れる。体長8~11mm。本州から九州まで分布。 
  • 野山のクズが好物なマルカメムシ・・・クズの繁茂拡大で個体数が増えている。成虫で冬を越し、春先から晩秋まで見られる。マルカメムシは、クズのほか、フジ、ハギ、ヌスビトハギ、ニセアカシアなどにも生活する。畑の大豆やアズキなどマメ科作物の害虫。 
  • ホシハラビロヘリカメムシ・・・前ハネに1対の黒点がある。クズ、フジ、メドハギなどに寄生する。マメ科植物を食べるので、大豆の害虫とされることもある。
  • 成虫は7~9月に現れる。体長8~11mm。 北海道から九州まで分布。
  • ヒメジュウジナガカメムシ・・・全体は淡い朱色と黒色の2色でコントラストは、典型的な警戒色で、鳥などの天敵から身を守るのに効果があると言われている。頭部は黒色で、体の黒色斑と橙色のX字斑が印象的。腹下面に環状の黒色帯がある。草原に生息し、川原や農耕地周辺で見られる。ガガイモ科の植物につくので、街中でも見られることがある。成虫は4~11月に現れる。体長約8mm。本州から九州・南西諸島まで分布。
  • 山地のミズキはツノカメムシ・・・ミズキほどツノカメムシに幅広く受け入れられる樹木は少ない。ハサミツノカメムシ、エゾツノカメムシ、セアカツノカメムシ、ヒメハサミツノカメムシ、ミヤマツノカメムシ、トゲツノカメムシ、ヒメツノカメムシ、モンキツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシのほか、アカスジキンカメムシ。樹幹に口吻を刺し込んでいる数種のカメムシが混生したり、葉裏にはエサキモンキツノカメムシやヒメツノカメムシなどが卵を守っている姿を見ることができる。 
  • セアカツノカメムシ・・・ミズキ,オオバヤシャブシ,カラスザンショウなどの樹上に見られる。青緑色で、背中が赤っぽいカメムシ。♂は腹端の突起が大きい。平地から山間部にかけて生息し、ツノカメムシ類の中ではもっとも普通に見られる。成虫は4~10月に現れる。体長17~20mm。本州から九州・屋久島まで分布。
  • ツマジロカメムシ・・・コナラ、クヌギなどの広葉樹林、インゲン、ダイズなどのマメ科作物。体形は丸みを帯び、金属光沢が強い。
  • トゲカメムシ・・・山地性のカメムシの一種で、キク科(ヨモギ,フキ,アザミ類など)、バラ科(クマイチゴ,モミジイチゴなど)、ウド、タラなど、植物の汁を吸う。体は幅広く、前胸背の両側はトゲ状で後方に張り出す。 
  • ベニモンツノカメムシ・・・山地のシシウドなどの花の上で見られる。革質部と腹背面が赤い。 
  • ヒメホシカメムシ・・・オオホシカメムシに似るが、やや小型。4~10月、シイ、アカメガシワ、クワなどの花や実に群れている。体長約12mm。本州から九州・南西諸島に分布。
  • オオホシカメムシ・・・赤黒い体色に1対の大きな黒い紋が特徴。アカメガシワの花穂に群生するほか、ミカン類の果実から吸汁することもある。燈火にもよく集まる。 体長15~19mm。
  • バラ科の樹木・・・ナシカメムシは、ナシ、ヤマザクラ、リンゴ、ウメなど。
  • 肉食のカメムシ・・・クチブトカメムシ、サシガメ、ハナカメムシの仲間は、昆虫類や小動物の体に口吻を刺し込んで体液を栄養分として取り込む。
  • サシガメとは、「刺すカメムシ」に由来する。サシガメの仲間は、世界で約7千種、日本で100種近くが知られ、カメムシの中では2番目に多いグループ。 
  • ヨコヅナサシガメ・・・黒くて大きいカメムシで、河川堤防や校庭などのサクラ並木の樹幹でよく見かける。肉食性のカメムシで、昆虫の体液を吸う。成虫は5~9月に現れる。体長16~24mm。本州から九州まで分布。
  • ヨコヅナサシガメ幼虫・・・樹幹面の陥没した部分に集団で見られる。
  • 体にヤニを装うヤニサシガメ・・・松林の樹幹や松の枝葉、その周辺の草上に見られる。動作は緩慢で、全身ヤニをまとっている変わり者。ヤニサシガメは、ヤニの分泌されている場所に行き、体にマツヤニを塗り付けるという。モンカゲロウ、カワゲラ類、マツオオアブラムシ、マツカレハハバチ類、マツノシラホシゾウムシ、ムツボシテントウ、ユスリカ、イエバエの仲間など広範囲に捕食。本州、四国、九州に分布。
  • 危険なオオトビサシガメ・・・サシガメの仲間は、鋭い口を突き刺して、肉をとかす消化液を注入する。刺されると数時間にわたり激しく痛む。オオトビサシガメはむ、大型で特に危険なので注意。体長20~27mm。
  • したたかに分布を広げる外来種
    アワダチソウグンバイ・・・もの凄い勢いで繁茂し続けている帰化植物セイダカアワダチソウの葉裏をめくれば、おびただしい数の本種が群生しているのが見られる。北米からの侵入昆虫で、セイダカアワダチソウの勢力拡大とともに分布を広げている。体長3mm。
  • 外来種・マツヘリカメムシ・・・北米原産で、1999年以降ヨーロッパに侵入し分布を拡大。2008年、東京で確認され、その後、埼玉県や神奈川など首都圏で急速に生息域を広げている。秩父地方では、山間にも侵入していることが確認されているという。
  • 外来種・ミナミトゲヘリカメムシ・・・南方系の大型のカメムシで、1970年代の中頃に鹿児島県に侵入し、現在、関東でも確認されている。クスノキ科のほか、ミカンの果実を加害することで注目されている。
  • 外来種・キマダラカメムシ・・・台湾~東南アジア原産の外来種で、近年、急速に分布を広げ、関東まで到達しているという。体に黄色い小点が斑状に散らばり、スネ節に黄色部がある。サクラ、カキ、サルスベリ、ナンキンハゼなどにつく。
  • 幼虫・・・暗灰色で、赤色の小斑紋がある。腹部中央には、ボタンのような黒色部分がある。
  • 参考①クロジュウジホシカメムシ
  • 参考②ジンメンカメムシ(写真出展:ウィキメディア・コモンズ)・・・背中の模様が人間の顔のように見えるユーモラスなカメムシ。体長は3cmほどで、東南アジアの熱帯雨林などに生息している。
  • 参考動画:Man Face Bug ジンメンカメムシ/海野和男 - YouTube
参 考 文 献
  • 「おもしろ生態と上手なつきあい方 カメムシ」(野澤雅美、農文協)
  • 「別冊太陽 昆虫のとんでもない世界」(平凡社)
  • 「ファーブル先生の昆虫教室」(奥本大三郎、ポプラ社)
  • 「身近な昆虫のふしぎ」(海野和男、サイエンス・アイ新書)
  • 「4億年を生き抜いた昆虫」(岡島秀治、ヴジュアル新書)
  • 「カメムシ博士入門」(安永智秀ほか、全国農村教育協会) 
  • 「昆虫観察図鑑」(築地琢郎、誠文堂新光社)