本文へスキップ

モリエールあきた

 2013年10月24日(木)、「草玉づくり講座」(各種参加教室)が、秋田県森林学習交流館・プラザクリプトンを会場に行われた。手軽で可愛い草玉は、グリーンインテリアとして、若い人々に人気を呼んでいるという。

 苔を使った草玉は、通気性、水はけ、水保ちが良く、植生の異なる複数の草を同時に管理することができる。だから草玉づくりは、小さな一鉢に、四季折々の景色、情趣を手軽に再現できるところが素晴らしい。それだけに、とても創造的で心弾む作業でもある。
 今回、草玉づくりに挑戦したのは、大館市二井田公民館ふれあい学級21名の皆さん。講師は、山野草に造詣が深い大石礼之輔インストラクター。 
▲草玉の見本 

 一口に草玉と言っても、作り方や材料は一様ではない。今回は、二種類の植物を用いて、手軽で可愛い草玉づくりを行った。
草玉に使った植物一覧

 実生紅花大文字草、斑入りユキノシタ(雪月花)、大文字草(緋の舞)、大文字草(紅天狗)、紅花大文字草、子持ち大文字草、斑入りユキノシタ(御所車)、那智小葉大文字草、野州花セキショウ、紅風知草、ミニシダ、姫岩ショウブ、ハゼ、白花リンドウ、竜のヒゲ(文鳥)、高嶺コンギク、アケボノアシ。

 草玉をつくる場合、最も大切な材料は四季折々の植物の選択。山野草専門店や園芸店で選ぶが、初心者は、花に目を奪われがち・・・その草が日当たりを好むのか否か、育てやすいかどうかなど、店の人に聞いて選ぶことが大切である。
植物をポットから抜き、割りばしで土を落としていく
 あらかじ作っておいたアルミ針金付きの針底網に、「ケト土」に「赤玉土」と「水ゴケの粉」を混ぜ合わせた「ケト玉」をおせんべい位の厚みで貼り付ける。
型どり用の器を置き、器の周りにケト玉を盛る。二段盛ったら、ケト玉が崩れないように慎重に器を取り除く。ちょうど灰皿のような形になる。  
底に赤玉を薄く敷く。バランスを考えて複数の植物を合わせ、ギュッと握りしめ、灰皿状の中に入れる。根のまわりに赤玉を入れ割り箸で突っつきながら隙間を埋める。
▲十人十色の感性で創造的な作業を楽しむ受講生
ケト玉の周りに苔を貼り付ける。だんだん形が見えてきた。
ワイヤーで作ったUピンを、貼り付けた苔に上から斜めに刺し固定する。さらに針底網のアルミ針金を互い違いに結び固定する。仕上げに黒の木綿糸をグルグル巻きにして完成。木綿糸は、いずれ腐食して土に還るので安心だ。
▲受講生がつくった草玉ギャラリー・・・初めてとは思えない出来栄えに皆さん100%満足
▲大石講師がつくった作品

草玉の管理法

① 置き場所

 苔は、直射日光を直接当てるのは禁物。また、ストーブのそばも乾燥しすぎるので×。室内では、直射日光をレースのカーテンで遮った窓のそばに置く。2~3日、室内に飾ったら、戸外の半日陰で外気に当てる。室内と戸外の交代要員として複数の草玉があれば、いつも室内で元気な草玉を楽しむことができる。

② 水やりは控えめに

 水をやり過ぎると失敗する例が多い。苔は葉が縮れていたり、触って乾いていたら、早朝に水を与える。水やりとは別に、時々霧吹きで水を吹きかけてやる。肥料は不要、百害あって一利なし。
参 考 文 献
「別冊NHK趣味の園芸 ミニ盆栽と苔玉」(日本放送出版協会)
「山野草はじめの一歩 草玉の世界」(別冊趣味の山野草、栃の葉書房)          

モリエールあきた