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鹿角のエネルギーを考える会
「森と山のエネルギー」体験学習会開催

秋田県水と緑の森づくり税「県民参加の森づくり事業(県民提案事業)」を活用しています 
 
 子どもたちの未来のために、地域資源を正しく使いながら持続可能な仕組みを創ろう、と活動している鹿角のエネルギーを考える会では、今年度秋田県水と緑の森づくり税事業に応募、講演会や体験学習取り組んでいる。
 8月1日は、森での暮らしや自然の中での暮らしを体験する学習会を開催、27人の親子が参加した。
 
主   催:鹿角市
実施団体:鹿角のエネルギーを考える会 
 
森の人 黒沢彰さん宅を訪問 
    
 先ずはじめに訪れたのは、尾去沢浦舘にある黒沢彰さんのお宅。道路から山道に入り、100mほど登った所にある。この山道は以前、獣道のような狭い道だったけれど、黒沢さんが補修を繰り返し今では軽トラックが通れるようになったという。 
 
   
  この森での生活を伝える黒沢さん。ここには電気も水道もない。黒沢さんは、町に住まいを持っているが、「町の家は、郵便物を受けるためのもの。仕事を終えると町の家に寄って、郵便物などが届いていないか確認してから、この森に来る。ここが生活のベースです。」
   
 この家は、7年前に完成した。黒沢さん一人で建てたそうだ。愛犬のタラちゃんとの生活で、朝起きると周辺の森を散策し、朝食の食材となる山菜を採取して調理する。熊と遭遇したこともあるが、タマちゃんに助けられるという。普段はおとなしいタマちゃんもいざというときは大活躍だ。
 多くの子どもたちに囲まれて尻込みをするタマちゃん、「こんなに多くの人に会うので、ビックリしているんですよ。」 
 
 「森の中で生活をすることによって、ありのままの姿を学んでいる。山菜や木の実を採ったり、木の種類によってその木の性質から使い道を考えたりとか、学ぶことが多い。」夜に調理したり作業をするときは、照明をヘッドライトにたよるというが、森暮らしを満喫している。 
   
   
  大きなスギの丸太。「こんな太い木でも人の力で割ることが出来るんだよ。」みんなの協力で丸太を運び出し、皮を剥いて割る作業を開始する。くさびを打ち込んで、割れ目を広く長くしていく。挑戦してみたけれどなかなか力のいる仕事だ。
   
 お土産はオニグルミ。「どのようにして実を取り出すの。」右はツノハシバミ、この中に実が入っている。 
 
中滝ふるさと学舎で自然を体験 
 
 次に、「中滝ふるさと学舎」へ移動。中滝地区にある旧中滝小学校を、観光交流体験拠点施設としてオープンした施設だ。森のカフェ「こもれび」では地場産の食材を使ったメニューが人気で、川を挟んだ裏山には、森林セラピー等の癒しも体験できるセラピーロードが整備されている。
 ここでは、お昼ご飯づくりから始まる。ガスや電気ではなく、かまどで木を燃やして煮炊きする。少し前までは、身近にある木の資源を利用して炊事していたのである。

 
   
 始まる前に、中滝ふるさと学舎の湯瀬政弘先生が森の中で注意することを伝える。特に雷と蜂には充分注意すること。 
   
   
  炊事をするための燃料は木。地域資源である木材は、生活に欠かせないものだった。
   
 釜でご飯を炊く。久しぶりに釜をみた。かまどに火を焚き、団扇で風を送る。 
   
   
 ご飯が炊けないとお昼は無しだよ。一生懸命火を熾す。女の子はカレー粉を入れてそろそろ出来上がり。「ご飯が炊けてから15分くらい蒸すんだよ。今と違って手間暇かかるんだね。」 
   
 苦労の末、やっとお昼ご飯にありつけた。格別な味がする。 
 
 
 お昼ご飯のあとは川遊びだ。この日は蒸し暑い一日だったが、川の水は冷たい。でも、子どもたちは大はしゃぎで水遊びを楽しむ。 
   
 木登りに興じる子どもたちもいる。ここ中滝ふるさと学舎は、自然体験できる宝庫でもある。 
   
 スタッフはお風呂の準備。薪で温めたお湯をホースで風呂釜に注ぐ。露天五右衛門風呂だ。 
   
   
 足りない分のお湯は汲んで自分で運び、お風呂に入れる。働かないと入れないのだ。水遊びで冷たくなった身体にお湯は気持ちがいい。 
 
 今回の体験で、子どもたちは、現在の電気に囲まれた暮らしとの違いや、木がエネルギーになることを知る機会になったと思う。今、自然エネルギーとはとか森での暮らしとか考えなくてもいい。この体験を心の隅に持つことによって、何時かの機会にエネルギーのこと・森に生きることを思い出し、その大切さを考える人間になって欲しいものと思ったところである。