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炭やきで夕日の松原守り隊
「炭焼き・窯出し」作業を秋田県立大学生と開催     

秋田県水と緑の森づくり税「県民参加の森づくり事業」を活用しています
 
 10月1日快晴に恵まれ、松林ではアミダケ・アワダケ・キンダケ・ギンダケ採取に、長い柄の付いた鎌を持参した市民で溢れていた。
 県立大近くの松林の中にある「炭焼き広場」では、炭焼きに関する作業が行われた。
 ぽっかり空いた空間に炭焼き窯が、約3㎥・5㎥2基あり火入れと窯出しを同時に行った。
 炭焼きは10年前、この地区の海岸砂防林が「松食い虫」の被害に遭い、その被害木の有効活用のため、松炭の製造に県立大学が学生と一緒に取り組んだことから始まる。
 今回の作業には会員と学生45名が参加し、会員が学生に「炭焼きの作業工程の全てを学ぶ」をテーマに指導した。
 参加者の皆さんが自ら作業を見つけ、モクモクと熱心に働く姿に感心した
  
主催・実施団体:炭焼きで夕日の松原を守り隊及び県立大学生 
 
 はじめに
 
 朝礼は、幹事の佐々木隆さんが努め、安全作業と諸連絡を伝えた。

  秋田県立大・星崎和彦先生は挨拶で、
 「松炭を本格的に生産している窯は見当たらない。日本でここの窯だけのようである。製品の活用としては、東日本震災時に宮古市に救援物資として活用された。最近では全国に有名な大曲の花火に引き合いがある。今後も、震災救援物資以外でも松炭の需要が予想されることから、炭焼き技術を学生達に伝承させたい。」と抱負を述べた。
 
 調査報告
 
  県立大高度加工研究所・栗本康司先生は調査報告で
 温度センサーによる窯の温度変化に対する調査は初めての試みであった。データによると、最高温度は、窯上部で800℃で下部では500℃であった。また排煙口での煙は80℃であったと説明された。さらに今回の焼き上がった炭をサンプルに、品質に伴う炭素量等の調査を継続していく考えであった。
 
 作業開始 
   
 広場中央では、残材を利用して果物や野菜などを缶に詰めた「化粧炭」にも挑戦した。
 
   
 「秋晴れの下でいただく豚汁は最高でしょう」と、ご馳走づくりに奮闘する会員の奥様達。
 
   
  「おみごと」・薪はこうして割るんだと手本をしめす剣道の達人でした。
 
   
 慣れないながらも一生懸命頑張って練った「かべつち」
 
   
  太い松材はチエンソーで玉切りし、炭小屋に積んで薪にする
 
 
 窯出しされた松炭。松くい虫の被害木とは思えない立派な出来栄えだ。
 
 
 真っ黒になりながら炭出しを体験した県立大「森林科学研究室」3年生板橋朋洋さんは、「炭焼きサークルの仲間達」で活動している。この体験や経験を活かして「森(森林環境)に関する仕事をしたい」と将来を見据えていて頼もしかった。 
 
   
 窯出しされた松炭は米袋に入れ、ご褒美に会員(希望者)に配られる。残りは小屋に保管します。 
 
   
  炭出しが終えると、再び炭窯に炭材が入れられる。手慣れたもので手際良く一列に並び、手渡しで直径10㎝~20㎝の松食い虫被害材を窯に入れる。 
 
 
 本日火入れをした隣の窯では、焚き口に扇風機やブロアーを使い強制送風するなど随所に技があって感心した
 
  会員と県立大生が、12班編成で大学敷地内17ha松林の刈り払いや除伐・間伐を行いながら生育環境調査を行っている。将来にわたって健全な松林をめざすため、研究活動を通して整備を行っている。そして、その伐採された松材で松炭を生産するといった森林資源の活用にも取り組んでいる。
 炭焼き好きな会員や学生が一堂に集い、記念撮影です。次回も開催を楽しみしているメンバー達と有意義な一日となりました。