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小学生が森の働きを学ぶ「里山スクール」

由利本荘市東由利:山遊庭の森/秋田県水と森づくり税を活用しています。 
 澄み切った青空の下、由利本荘市東由利法内の「山遊庭の森」(阿部重助氏所有林)で、東由利林業懇話会主催の「里山スクール」が開催された。かつてから自然の恵みをいただく里山が近くにあるのに、ふれあうことがなくなった次代を担う子供たちに興味をもってもらいたい」そんな願いから始まったこのスクール今年で8回を数える。 
 
 あいさつから
   
  • 当日、市立東由利小学校の3年生が24名と4年生12名の小学生が参加した。はじめにこの森のオーナーである阿部重助さんが、森の働きやスギのポット苗木の実物を説明し、「今日体験したことをお家の皆さんに伝えてください」 
 
  • 「自然が豊かなこの森で、学校の先輩たちが育ててきたスギの枝打ち作業など、今日は様々な体験をして、おおいに学んで欲しい。」と、東由利林業懇話会畠山卓三会長があいさつした。 
枝打ち体験 
  • 里山スクールで植栽されたスギの枝打ちに挑戦した。枝打ち作業では、スタッフの皆さんと一緒に頑張った。 
  • 黄色のヘルメット・キッズサングラスの格好は、作業の安全対策に万全です。チョーカッコイイネー。 
 孫と一緒の作業を楽しんでいるスタッフも 手前に引くとき切れるですよと優しく指導 
 小さな手でノコギリ握るに大変・でも一生懸命頑張った 丁寧にあわてずゆっくり引くようにと指導する 
枝打ち作業を見守る会員の熱い視線 素直に指導者の言うことを聞き頑張り屋の子供たち 
 
作業は大変だけど慣れるとそうでもないと笑顔の二人  いつでも・どこでも一緒の仲良しの3人娘でした 
  • 3年生の畠山君と4年生の小松君が、「作業は大変だったけど、力枝のことや枝打ちは幹に直角に落とすことが正しいことを知った」と作業体験での感想を述べた。 
 これなんだー
  • 作業現地のあちこちの木に、黒のビニールがまかれてある。毎年カモシカの被害に遭い、山林所有者の阿部重助さんが独自に取り組んだ末、考案した「カモシカ食害対策」で、今のところカモシカが立ち入らなくなった効果があるとのこと。  
植物観察 
 
  • 山野草の名前のエピソード等について講義する。植物にも、動物や鳥の名前が付いていることを聞いて、「おもしろ~い!」と興味を示す。
 
  • 「山遊庭の森」内の作業道沿いを散策しながら、山野草の名前を教える。手に取ってみて、その植物の特徴などを確かめてみる。  
 
  • 講師の寅田敏雄さんが前日下見調査で、山野草に名札を付けていた。名前のわからないキノコを発見し、「毒かな?」「食べられるかな?」とみんな興味深々でした。 
きのこの収穫  
  • 楽しみにしていた「なめこの収穫」では、秋の長雨で収量が収穫が少ない。このなめこは、2年前に先輩が同スクールで植菌した。収穫量が少なかったものの「美味しそう~!」と笑顔の小野君と阿部君でした。  
終わりに 
  • 質問コーナーでは、「「なぜ植物のすべてに名前があるの?」や「この森には120種の山野草があると聞いたけれど、近くの八塩山にはどれくらいの種類が生えているの」と講師の寅田さんにたくさんの質問が飛ぶ。寅田さんはにこやかにその質問に答えてくれた。 
あとがき  
  • 矢島で林業を営んでいる豊島カヨ子さんも参加し、子供たちに応援メッセージを送った。   
 
完璧なサポート体制  
  • オーナーの阿部さんによると、「今後も子供たちのためになるよう続けたい。そのためには地域を挙げた協力が必要です。これからも市・JA・森林組合・東由利林業懇話会会員に呼びかけ、協力をお願いしたい。これまで8回も続いているので継続できると思っている。」と自信満々。向かいの山々は、紅葉が見ごろでした。 
雑  感 
  • 野生鳥獣の生息域の変化により、里山の在り方を検討する時に先駆け、自然とともに暮らしがあった里山の大切さを子供たちに伝えるこの行事は、まさに時宜を得ている。枯れることのない裏山の湧水がおいしそーな水音を立てて流れていた。穏やかな秋の日ざしを受け、元気で素直な小学校の皆さんの活動は立派でした。