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 秋田県水と緑の森づくり税事業から

本場、大館市で小学生が『曲げわっぱ製作体験』

 大館市立城西小学校
 
 秋田音頭に”秋田名物大館曲げわっぱ”と唄われている大館市で、平成30年9月8日(土)、大館市立城西小学校(三浦栄一校長、児童数310人)の3年生児童43名と、その保護者が、曲げわっぱ作りを、大館市内で製造と販売を営む商店の、い職人さん5名の指導で体験した。
 曲げわっぱ作りの製作工程は樹齢150年を超える天然杉の調達から、製材、部材取り、はぎ取り、煮沸、曲げ加工、乾燥、接着、底入れ、仕上げそして樺綴じと完成までは、多くの工程があるが、今回の体験は、煮沸した部材の曲げ加工、接着、樺綴じ、底入れ、、仕上げを体験した。
 
   
  • 体験に使用した部材
  曲げ加工
  • 一晩水に浸した部材を、80度のお湯で煮沸し、曲げ、木ばさみで留め、約7~10日乾燥する 
   
曲げ体験に用いた機材  乾燥した部材
 
   接  着
   
  • 職人さんの指導で、接着剤を使用し接着
   樺綴とじ(桜皮とじ)
  • ヤマザクラの樹皮を用い、綴り込むが、近年良質の樺材が入手しにくいとの事だった。
   
   
  • 樺の樹皮は切れやすく、慎重に縫い合わせた 
   底入れ
  • 木目の見方を職人さんから教わり、底板をはめこむ。
   
   
  • 接着剤を塗った底板を、金槌でたたききながらはめ込む 
   仕上げ
  • この作業で、曲げわっぱの美観が決まるため、荒目、中目そして細目の紙やすりを使い、なめらかになるまで磨きをかけた。
   
仕上げ前の曲げわっぱ  樺に傷を付けないよう磨きをかける 
   
 やすりかけを終えた、完成品 約150年前、江戸時代に作られた”龕灯(がんどう)”
 
 
  • 出来上がった曲げわっぱを持ち、職人さんと記念撮影 
 近年の木製品は、仕上げとしてウレタン加工を施すものが多いが、この曲げわっぱは、天然木の無垢のまま仕上げられ、食材ににおいを付けず、良く乾燥させ(出来れば2個持つ)、使えば使い込むほど良さが出てくるとの事であった。 
 児童達の質問で、”どうして職人になったのですか”の問いに”木が好きだから、手仕事が好きだから”と答える若い職人さん達でした。
 今日、自分で作った曲げわっぱを使い込むことにより、木の良さを知っていただき、こんなステキな材料が身近にあったことを感じ、この児童達の中から職人さんが誕生して欲しいものです。