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県民参加の森づくり事業を活用

鹿角市で甘蕗の森里山整備チームが森林整備を実施

秋田県森林ボランティア団体 甘蕗の森里山保全チーム
  • 令和5年9月3日(日)に鹿角市花輪甘蕗地内の市有林で、甘蕗の森里山保全整備チームが、下刈り、除間伐の森林整備活動を行いました。鹿角市では3団体が税事業を実施していますが、今まで同会の活動は取材する機会が無かったのですが、今回は秋田県緑化推進委員会事務局長の戸部さんから紹介してもらいました。
  •  同会を平成18年に立ち上げた際に県の支援で結成したそうですが、その際の県で協力した戸部さんや今回も参加していた松浦さんが今でも市民ボランティアとして活動に参加しているそうです。
  •  前日の雨が久しぶりのお湿りになりましたが、この日はまた暑さがぶり返しました。ただ作業は林内でしたので、それほど高温にならず木陰の有り難さを実感しました。
  •  同会の主力メンバーは、株式会社 秋田ダイドーの皆さんですが、地元の会員もいるため鹿角地域振興局が待ち合わせ場所になります。皆さん揃ったところで松本社長からあいさつがあります。左側は緑推の戸部さんです。(写真は終了後に集合したときのものです。)
  •  振興局からそれぞれの車で、湧き水で有名な「御勢堂の水」の脇を通り抜け、山に向かうとほどなく甘蕗の森に着きます。辺りは新林業構造改善事業で整備した地域で、アスレチックや東屋もあるそうですが、現在は、クマ騒動などで訪れる人も無く静かな山林です。
  •  同会が鹿角市と協定を結び、市有地2.6haに広葉樹を植栽してその後の手入れも同会で行うという湯沢の森人の会のような活動形態です。
  •  鹿角地域振興局の駐車場で「福井さ~ん」と声を掛けられたら、黒沢さんでした(左写真)。山林種苗の生産者の方で、鹿角森林組合の総代会などいろいろなところでお会いしていましたがこういう活動でお会いするのは意外でした。当初からこの会のメンバーで、会員が集めたドングリを黒沢さんが育てて、山に植えたりしたそうです。生業のスギ生産苗は、全部コンテナ苗にして苗畑は止めたそうですが、人手が足りなくて大変だそうです。
  •  右写真は、現在県の森林環境保全課勤務の松浦さん、当日は野球の関係で早く帰るということでしたが、山まで同行していろいろと会の経緯などを教えてくれました。
  •  税事業のPR看板も立っていました。昔の新林構事業で建てた東屋ですが、大分お疲れのようです。木イスは会員がスギの間伐木で製造したものです。
  •  鹿角地域振興局の木村班長も参加しており、作業も一生懸命でした。今まで県職員が現場で森林ボランティアと協働している姿を殆ど見なかったので今回は感激しましたし、県職員のボランティア支援の在り方として、一市民として参加しているのは非常に良い事だと思いました。
  •  現地は、バイオ桐の試験地だったそうで(看板もかすかに残痕があります)、そういえば平成の初め頃に全県各地にバイオ桐を試験植栽したもののうまく育たず、私もかなり前にあちこちの試験地に行きましたが残念な結果になっていました。ここも数本は生き残っていますが、用材にはなりそうもありません。
  •  林内にあちこちマウントがあり、昔の畑跡地かと思いましたが、バイオ桐の跡地を森林組合が整備して、ならした表土を寄せた結果だそうです。かなり前から広葉樹の植樹を行っていたそうで、平成20年の標柱もありました。ミズナラ、ブナ、ヤマザクラ等様々な樹種を植えたということですが、立派に成長してかなり混み合って競争により枯れ始めている樹もあります。
  •  さて、作業の方ですが各自様々な道具を使って、道路脇の草を刈ったり、林内の笹を刈ったり、不要木を伐採したりとそれぞれがあちこちで作業します、ただ、面積が大きいので今回の作業で全体の1/4くらいのようです。
  •  皆さんの作業を見ていて気になったのが、充電式のミニチェンソーと言われる器具を持っている方が何人かいて、作業が手軽に出来るということで重宝していました。松本社長と黒沢さんがチェンの締め方や使い方について話していました。社長のものは誕生日祝いで奥さんが買ってくれたそうで(羨ましい!)、マキタの5万円くらいのものだそうです。一方黒沢さんは通販で買ったそうですが、松本さんのものを使ってみて「やはり高いものの方が良いな!」ということでした。10cm以下の樹が多いのでこれの方がチェンソーより機能的だそうです。森林ボランティアも高齢化してきているので、軽くて安全で機能的なこういう器具もあちこちで利用出来るのではと感じました。
  •  伐採後の林分はかなりすっきりしました。そろそろキノコのホダ木になるような太さになってきているので、今後は伐採木の利用も出来そうです。
  •  この会の事業費補助は決して多額ではありませんが、松本さんいわく「こうやって自分達で作業しているとお金はそんなにかからないし、楽しみながらやっているから」と森林ボランティアの本来の姿を見たような気がします。今後も頑張ってください!