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令和5年度森林ボランティア等技術研修会を開催しました!

  •  令和5年7月5~6日の両日にサポートセンターが標記研修会を開催しました。昨年は県北3カ所で開催しましたが、半日単位で開催したところ時間が足りなかったため、今回は一カ所に1日を充て、実習を主体にスケジュールを組みました。講師は秋田県林業研究研修センターの特別講師や林災防の安全アドバイザーなどを務める加利屋義広氏です。
     今回は、参加者が普段それぞれ使用しているチェンソーを持参してもらい、一台一台について、ソーチェンの診断をして、加利屋氏が実際に研いでみせるというやり方で、見本の刃を参考にしてもらい、帰った後でそれを手本として、自分で研いでもらうという趣旨です。最初は’目立’てということで皆さん「何をやるんだろう?」という感じでしたが、実習では目を少年のように輝かせながら真剣に見入っていました。加利屋さんの熱血指導と巧みな話術でどんどん引き込まれていきました。
 雄 勝 編
  •   7月5日(水)は湯沢市の雄勝広域森林組合で開催しました。午前中の座学は秋田県林業研究研修センターで作成した「チェンソーのメンテナンス」と「よく切れるソーチェンを目指して-永戸式目立て-」の両冊子を参考に加利屋氏が講義しました。
     研修場所の手配等で雄勝広域森林組合様には大変お世話になりました、ありがとうございます。
  •  森林組合の会議室は立派な会議室でモニターに資料を写して加利屋氏からどうして目立てが必要なのかを学びます。包丁には刺身包丁、菜切り包丁、出刃包丁などが使用目的ごとに種類があり、出刃包丁で刺身を切ることがないように、ちゃんとした目立てをしないソーチェンでは、刺身包丁で木材を切っているのと同じだ。大工さんが敷居の溝を作るときには、ノコギリで切り込みを入れ、ノミで切り込みに沿って掘り進むのと一緒で横歯が先導して上刃で削っていく、決してその順番が逆になることは無い。
     通常は、皆さん自己流なのでフック型かバックスロープ型になっている。等の説明がありました。
  •  昼食を挟んで、午後からは、森林組合の倉庫に場所を移して実習です。最初に加利屋氏のチェンソーの目立て状態を皆さんで確認します。この頃から皆さん食い入るように説明を聞いています。
  •  この後で、組合の土場で安全を確認しながら加利屋さんのチェンソーで試し切りを体験します。50ccのチェンソーなので、かなり重たいはずですがあまりの切れ味に「切っている気がしない」「ゴッドチェンソーだ!」などと驚きの声が上がりました。「正確な目立てをするとこういうことなんです!」という講師の声に一同うなずきます。
  •  切った丸太の表面のキレイなこと!おが屑が長くて切れ味の良さが分かります。皆さんのチェンソーで切ったおが屑は粉のようになっていませんか?
  •  1人1人のチェンソーを診断して、「あ~これは石を切って刃が欠けちゃったな」、「これは大フックになってます」、「上歯の長さがバラバラなのでこれでは木がきれないでしょ」、と的確な判断でその刃を矯正していきます。参加者も自分のチェンソーの状態が分かるのとどこがポイントなのか分かり易い説明で納得です!
  最後に講師から「目立ては超ムズなので今日一日だけで覚えるのは無理だと思う。フォローアップ研修として1~2年後にまた研修をするので練習していて下さい。福井さんやりますよね?」と言われたので、もちろん、必ずやります!
 仙 北 編
  7月6日(木)は、道の駅なかせん内の情報センターで座学を、道の駅の裏の斉内川サクラ並木で実習を行いました。道の駅を経営する物産中仙株式会社様と八乙女山を守る会からご協力をいただきました、ありがとうございます。大変立派な施設で加利屋講師からも感謝されました。
  •  午前中の座学は雄勝と同様に加利屋講師からソーチェンは何故目立てないといけないのかを学びます。模型を使って分かり易い説明です。午前の部には八乙女山を守る会の熊谷会長も駆けつけていただきました。
  •  道の駅なかせんの美味しい食堂で昼食を摂り、午後からは斉内川のサクラの下で実習です。中仙小学校と中学校の生徒さん達が手をかけているお陰で暑い日でしたが木陰で作業することが出来ました。最初は講師のチェンソーを見てソーチェンの目立ての状況を学びます。
  •  ここでも加利屋講師のチェンソーを使って1人1人丸太を切り、身をもって切れ味を体験します。「あまり楽で切った気がしない」、「自分のチェンソーとまるで違う」、「はっはっは、笑うしかない」などの声が上がりました。
  •  とにかく切削面が滑らかで、波打ったりぎざぎざになっていません.、おが屑も長くて芸術品のようです。
  •  1人1人のチェンソーを見ながらどこを矯正すれば良いかを言葉のキャッチボールをしながら対話型で進めます。普段八乙女山でお世話になっている角館桜アドバイザーの黒坂さん、副会長の髙橋さんなども真剣に見入っていました。最後は昨年入会した小田嶋さんが自ら体験したいということで、講師が手を取りながら目立てしましたが、「あえて先生に習って左手でやろうと思ったがいつの間にか右手を使っていた、見ているといかにも簡単に見えるが自分でやると全然できない!」とその難しさを語っていました。講師も「20年以上やってるから出来るので目立ては超ムズですよ」と応えていました。
     来年は、フォローアップ研修を県北で開催したいと思っています、その際は、切れないチェンソーで苦しんでいる皆さん今度は是非ご参加ください、また研修を受けた方は再度の確認のためご参加ください。