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白神山地と縄文遺跡のフォーラムが開催されました

秋田県森林ボランティア団体 NPO法人 あきた白神の森倶楽部
  •  令和6年4月20日(土)午後に藤里町のホテルゆとりあ藤里において、標記フォーラムが開催されました。主催は、NPO法人 あきた白神の森倶楽部(見上岳代表)です。
  •  地域内外から100人近い参加者が集まり、パネリストの熱心なやり取りを聴きました。
  •  冒頭、金田勝年衆議院議員から、白神山地が世界遺産に登録された当時は大蔵省の主計官を務めており、既に青森県側に世界遺産センターの設置が決まっていたが、秋田県側にも設置するよう働きかけた経緯のお話しがありました。当時は一つの自然遺産に一つのセンターがルールだったそうですが、白神の登録以降は二つのセンターを持つ世界遺産が各地にできたそうです。ご尽力ありがとうございました。
  •  続いて大政康史東北森林管理局長が、白神山地が世界遺産として登録される以前から国有林が果たしてきた役割と今後の地域の在り方などのお話しがありました。
  •  会場のゆとりあ藤里には多くの方々が集まりました。総合司会は山本地域振興局森づくり推進課の中田チームリーダーが務めました。ソフトな語り口は司会に持ってこいです。
  •  記念講演として、北秋田市教育委員会の榎本剛治さんから縄文文化の話しがあり、伊勢堂遺跡の詳しい説明がありました。その中で縄文時代は、1万年近く続き、その特徴として東北・北海道の北日本が中心になっており争いの無い社会だったそうです。弥生時代になって米作をするようになってから貧富の差が付き争いも起きるようになったとか。
  •  24日の朝のNHKラジオで女優の菊地桃子さんが昔から考古学が好きで、縄文時代が特に気に入っているそうで、それは皆が仲良く争いのない時代が長く続いたからと同じ事をおっしゃってました。
  •  ちなみに榎本さんは東京出身ですが、お父さんも北秋田市に住んでいたことがあったそうです。
  •  講演後、パネルディスカッションまでの時間にミニコンサートが開かれ、ボーカル・ギターの北秋田市出身の春日さんとドラム・独唱の二ツ井出身の武田さんのお二人で、松山千春の大空と大地の間で、森山直太朗のさくら(独唱)、スピッツのチェリー、の3曲が披露されました。お二人とも素敵な声で魅了されました。
  •  春日さんのお話しでは、有名な笑う土偶は地元(白坂古墳)から発掘されたそうです。
  •  パネルディスカッションの司会進行役は上田貴夫さん、リーフレットを見るとあきた白神認定ガイドとなっていますが、本業は県職員だそうです。山本地域振興局で観光を担当していたそうですが、本庁に異動されたとのことです。縄文文化と世界遺産という難しいテーマでしたが、パネラーの考えを巧みに誘導して取りまとめ、私のような縄文文化素人でも分かり易いフォーラムになりました。
  •  パネルディスカッションは、写真右上から順番に安藤きらりさん(2024ミス日本緑の大使)、写真家の秦達夫さん、講演した榎本剛治さん、日本森林林業振興会木村大助さん、藤里町町長の佐々木文明さん、の5人でした。途中でスギについての説明を求められNPOの武田さんがスギへの思いを込めて話しされました。
  •  ディスカッションでは、榎本さんが縄文文化を説明し、安藤さんは東京の若者の観点から白神についての感想を述べ、秦さんからは写真家から観た白神の良さ、木村さんからは白神における国有林の役割や「森ってどうして大事なの?」という冊子をNPOや畑さんと協力して作ったことなどが披露されました。
  •  佐々木町長からは世界遺産に登録された白神山地は1万7千haだが、白神山地は全部で13万haあり、関連する市町村が多い、皆が連携して白神をPRしていかないといけないと力説されました。
  •  秦さんから、うまい写真の撮り方の話しがあり、目で見て良いと思った景観は良いと思ったところを切り取って強調して撮るとうまく撮れる。全体を入れて撮るとぼやけるということで非常に参考になりました。
  •  武田さんからは、20kmの半径の中に世界遺産の白神山地、仁鮒水沢スギ植物群落保護林、伊勢堂岱遺跡がある世界でも類を見ない地域である、しかも大館能代空港やJRからも近くて交通の便も良い、何とかこれらを活かして地域の活性化に寄与したいとのお話しがありました。
  •  安藤さんからも東京から飛行機で60分、空港からゆとりあ藤里まで車で30分、合わせて90分で来られた、東京の友達にも是非この地域の魅力を伝えたい、とのことでした。
  •  この日は、遺産センターの隣にある直売所でイベントをやっていましたが、上田さんが着ていた白神のティーシャツはここで売っているそうです、遺産センターと合わせて訪れてみてはどうでしょうか。