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平成26年度秋田県水と緑の森づくり税活用 森づくり県民提案事業 
新山松原再生プロジェクト(由利本荘市) 
 
 由利本荘市石脇地区の丘陵地に広がる、石脇財産区が管理しているクロマツ林。新山公園の西側に位置する。このクロマツ林に隣接して新山小学校や本荘北中学校の教育施設、新山野墓園、市民の憩いの空間「三望苑」があり、多くの市民が訪れるエリアだ。松くい虫被害が猛威を振るっていた10数年前も、地域の人々や関係機関の努力でその被害を最小限度に止めてクロマツ林を維持してきたところだ。

 しかし最近、下草が生い茂り、コナラやニセアカシアが侵入して林が過密状態を呈していた。「クロマツ林が悲鳴を上げているように感じた」という。

 2013年5月、このクロマツ林を美林にすべく石脇地域の有志が立ち上がり「新山松林再生プロジェクト」(会長 後藤 至さん)を設立、30名の会員で発足した。会員が目的意識を共有するため、毎週水曜日午前6時から1時間作業エリアを定めながら活動を行い、昨年度は5月から11月上旬まで活動し、延べ445名の参加があった。

 今年度から、この県民提案事業に申し込み、会員による毎週水曜日の活動のほかに、広く作業ボランティアを募集して仲間の輪を拡げることとした。7月13日、ボランティアを募った作業が行われた。
 
  
 
   
 開会前にあいさつをする後藤至会長。「本日は初めて参加した方もいるので、簡単な作業となる。ゆっくり作業して楽しんでいただきたい。」石脇財産区の役員からも感謝の言葉が述べられた。
 
   
  本日の参加者は、会員を含めて40名。初参加は8名の方々。みんな石脇地区にお住まいの方だ。
   
 後藤会長が、本日の作業方法や留意事項などを説明。その後、参加者は林の中に散ってゆく。 
   
   
 刈り払われた草やツタが集められ、林の中が見違えるほどきれいになる。
 
   
 別のエリアでは、伐採された雑木を集積する。枝葉を払い、材は希望者にお分けするとのこと。希望が多い場合は抽選だ。
 
   
 斜面の下側は、今後手を付けるエリア。ご覧のとおり多くの広葉樹が繁茂している。クロマツと広葉樹の混交林も考えられるが、以前はアミタケやヌメリササタケなどのきのこ採集を楽しめたところ。「我々のできる範囲のことをしていきたい。この活動で、クロマツを元気にすること、そして墓参する人々がこの林をみて癒やされたら良いなと思っている。」(後藤会長談)
 立派なクロマツ林の再生を期待しています。
 
   
   
 作業のあと、皆さん充実したお顔です。
 
 このクロマツ林の基礎を築いたのは、天明8年(1788)から文政4年(1821)に没するまで植林活動を続けてきた石川善兵衛翁。砂塵の被害にあってきた石脇の地を守るため、一生をかけて植林事業に打ち込んだ翁の志を引き継いでいこうという意気込みを感じ取ることができました。