本文へスキップ

森と木のフォーラム開催報告 

 平成27年1月31日~2月1日までの2日間、秋田市にぎわい交流館AUで開催された。このフォーラムは、「秋田県水と緑の森づくり税」を活用し、県民共有の財産である「秋田の森林」を、県民みんなで守り育てていくことについて、さらに理解と関心を高めてもらおうと秋田県が主催したものである。

 31日と1日は、東京おもちゃ美術館の協力を得ながら「木育キャラバンin秋田」も併催、2日間で延べ2,000人の県民が訪れた。

  新酒が出来たことを知らせる『 スギ玉』がぶら下がるフォーラム会場。別のフロアでは木のおもちゃの遊び場コーナー。たくさんの家族連れが訪れた。

森と木のフォーラムから 
 2月1日に開催された「森と木のフォーラム」、会場には約200名の県民が訪れた。
 オープニングは、由利本荘市出身で地元を中心にシンガーソングライターとして活躍している石川コウさんのアコースティックギターでの弾き語り、少年の時の思い出を詩にした曲など3曲を披露した。 
 開会にあたり、主催者の秋田県農林水産部橘政行森林技監はあいさつでこのフォーラムの開催趣旨を紹介し、「本日のフォーラムが、皆様にとっても、これまでとは違った視点で秋田の森林や木とのかかわり方について考える場となり、これからの秋田の森林づくりにつながるきっかけとなることを期待する。」と述べた。

 基 調 講 演
 特定非営利活動法人秋田グリーンサム倶楽部理事長の佐々木吉和さんは、「あきたグリーンサム創造の森について」と題して講演。

 水と緑の森づくり税を活用し、所有山林を多くの人々に利用してもらえるよう、会員みんなで森林公園として整備をしてきたことを紹介。 そして、氏のこれまでの考えや会活動などを通し、これからの公益活動の要点や箴言(しんげん=いさめの言葉)を伝えたが、その中で「自分がこの地域をどうよくしたいか思いを語ることは楽しくて、そこに期待感がある。」という言葉が耳に残った。
 そして、「水と緑に活かされているという実感を持つことが大切」と結んだ。

パネルディスカッション「未来につなげる秋田の森林づくり」
 秋田県森林学習交流館インストラクター菅原徳蔵さんをコーディネーターに迎え、森づくり税を活用している3団体の方々をパネリストとし、「未来につなげる秋田の森林づくり」をテーマに語っていただいた。 
 特定非営利活動法人白神ネイチャー協会の辻正英会長は、「荒廃の目立つ藻場を再生するには、ミネラル豊富な水の供給が必要で、そのため、森に木を植えようと立ち上げた。これまで6,400本程を植樹したほか、森づくりをする企業などの団体への植樹指導を行っている。」 
   
 ちっちゃいもの倶楽部の男鹿仁部長は、「森づくり税を活用して、森の散策.・植樹・森の仕事や森の遊び・生き物と自然との関係・木を使い森を育てるなどをテーマにした子どもたちの体験学習を行っている。障害のある子どもたちには、ポニーとふれあいことによって色々なことを学んでもらえるよう活動を行っている。」 
  あきたャイルド園の澤口勇人園長は、「生きる力をつけることを目指して、清太郎さんの森で保育活動を行い、毎月訪れる。森では、森が先生なので『森の保育園』と呼んでいる。」
 発表後、菅原コーディネーターから今後活動を継続していく上で、どのような課題があるか投げかけた。

 辻さんは、「会員の高齢化が進んでいる。」、男鹿さんは、「地元の参加者が少なく、秋田市内へも参加を呼びかけ、バスをチャーターし経費が掛かる。」、澤口さんは、「森の保育園を行える森が県内にたくさんあるといい。」
 オブザーバーの佐々木さんは、「お金を出してでも参加したい、活動したいという魅力的なテーマづくりが必要。皆さんが持っている人脈を活かし、交流の輪を広げることが必要。」とアドバイスを行った。

 また、森での体験が子どもたちに与える影響については、「森では、自分のことは自分でやるというたくましさ、生きる力を自然に身につけている。」、「森は子どもの成長にとってかけがいのないもの。」などが述べられた。

 最後に菅原コーディネーターが、「森遊びを体験した子どもたちが森に関心を持ち、いつか森づくり活動に参加する。森が人を育て、そして人が森を育てるという循環が深まることを期待したい。」と取りまとめた。

木育キャラバンin秋田 
 東京おもちゃ美術館は、「赤ちゃん木育広場」などの木育に積極的に取り組んでいる。子どもたちが木のおもちゃにふれて、木のぬくもりや香りを感じながら想像力をふくらませて遊んでもらおう、と木の卵プールや積み木など楽しい遊び場がフロア一杯に広がった。 
 各コーナーでは、家族連れや子どもたちだけで大賑わい。

 木の卵プールで大はしゃぎ。「楽しい!」 
 積み木を重ねていきます。会場を一回りしてもう一度見ると、自分の背丈ほどに積み上がっていました。 
   
 六角積み木でドミノ倒しや木のおもちゃ遊びに熱中です。 
 楽しく遊びました!