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「秋田林業大学校」開校 

 将来の林業を担う人材を養成する「秋田林業大学校」が開校し、今年度の開講式が4月10日、秋田市河辺の「プラザクリプトン」で開催された。開講式には、競争率1.8倍を乗り越えた18歳~24歳の研修生18名全員が出席、林業技術者としての第一歩を歩み始めた。

 当日は、オール秋田によって大学校を支えていこうと結成された「秋田林業大学校サポートチーム」と県との「秋田林業大学校の研修協力に関する覚書締結式」も併せて行われた。 
 研修生入場。先導役を担ったのは、横手市森林組合の野中啓太さんと黒沢明雄さん。地域の林業を支える林業技術者として、日々頑張っているお二人である。 
 来賓、サポートチームの方々、研修生の父兄など約100名が見守る中、開講式が始まった。 
 
  阿部雅弘秋田県林業研究研修センター所長が受講生一人ひとり呼び上げ、研修生代表糸洲寛野さんに佐竹敬久知事から受講許可書が手渡された。
 知事は挨拶で、最近の林業を取りまく状況を述べ、「・・・貪欲に学び、秋田の林業を大いに盛り上げていただきたい」と激励した。 
 来賓を代表して3名の方が祝辞を述べた。
 竹下博英県議会農林水産委員長は、「皆さんが研修するこの場は、林業を学ぶには恵まれた環境にある。この環境を活かして大いに研鑽いただきたい。」

 飛山龍一東北森林管理局長は、「皆さんの姿を見て、次代を担う子どもたちにあこがれを持たれるような林業マンになってもらいたい。」
 佐藤重芳秋田県林業大学校サポートチーム代表(秋田県森林組合連合会代表理事会長)は、「林業・木材産業に携わる我々は、研修に最大限の協力をしていくため、サポートチームを立ち上げた。我々の持っている知識・技術を伝えていく。ここで学んだことを一日でも早く現場に活かしていただきたい。」 
 研修生を代表し、佐々木聖香さんが「専門的な知識と技術を学び、地域林業のリーダーとして活躍していきたい。研修生が刺激し合い、仲間づくりをし、一期生として誇りを持ち実りある研修生活を送る。」と誓いの言葉を述べた。 
 
  開講式が終わってホッとしたところで集合写真。知識を学び、技術を習得して、地域のリーダーとして活躍する日を期待しています。頑張れ!若いフォレスター。
 
  秋田林業大学校紹介
  秋田林業大学校は、森林・林業・木材産業に関する幅広い知識や林業機械の操作など実践的な林業技術者を育てるのが狙い。研修は秋田県林業研究研修センターを拠点に2年間学ぶ。研修生を待つ施設を紹介する。
 
 秋田県林業研究研修センター正面、看板が付け加えられた。 
 教室内部。机の天板は、県内広葉樹とスギを貼り合わせたもの。 
 実習棟。チェーンソーや刈払機の目立てやワイヤー編みなどを学ぶ。
 棚には真新しいチェーンソーが出番を待つ。シャワー室も完備。 
 
 県と秋田林業大学校サポートチームとの覚書締結式
 
 サポートチームは、研修生がより実践的な知識・技術を習得するため、講師の派遣や就業体験に協力する団体で、森林・林業・木材産業関連9団体と、林業機械メーカーなど9企業が参加した。 
 阿部秋田県林業研究研修センター所長が、覚書の概要を説明した後、佐竹知事と佐藤サポートチーム代表が覚書に署名を行った。 
 山に木を植え、育てるなど林業に携わってきた人々の流してきた汗の結晶が、日本一の面積を誇るスギ人工林を造成した。今、利用できるまで生育してきたこの資源を有効に活用し、地場産業の振興発展に結びつけてもらいたいものである。

 スギ資源は、これまでの建築用材のほか、合板や木質バイオマス利用などその活用範囲は幅広くなっている。流してきた汗の結晶が所得還元されるには、低コスト生産システムや有利な選木・販売方法がさらに重要となってくる。研修生には、森林・林業・木材産業全般を見渡せる広い視野を持つフォレスターになってもらいたい。

 これまで維持・造成された森林資源をさらに充実し、次代へ引き継いで行ってもらうことを期待したい。