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森吉ダム「四季美湖」で高校生が植樹活動

 秋田県水と緑の森づくり税「県民参加の森づくり事業(県民提案)」を活用しています
 
  6月9日、北秋田市森吉ダム四季美湖で、植樹活動が行われた。
 “サクラを植えた一人ひとりが環境の大切さ、自然の良さに関心を持ってもらい、地域活性化・着地型観光に結び付け、地域住民とともに森吉ダム四季美湖を守っていきたい。そして、いつの日か花が咲く、その喜びを分かち合いたい”と、森吉ダム周辺にサクラを植樹してきた。

 この日の植栽場所は、ダム工事に伴う残土処理場。森吉ダム事務所と北秋田市の共有地で、広々とした所。秋田県立北鷹高等学校緑地環境科の生徒23名と佐藤久和先生、森吉山水の郷ネットワークとラブリバーネット北秋田の会員及び県北秋田地域振興局森づくり推進課職員など50名が植樹や下草刈りに汗を流した。

 主    催 グリーンメイク(本城谷多加志会長)
 実施協賛 森吉山水の郷ネットワーク
          ラブリバーネット北秋田
          秋田県立北鷹高等学校緑地環境科
 
   
   
  グリーンメイクの伊東毅さんが、本日植栽するヤマザクラとエゾヤマザクラの特徴や植樹方法についてていねいに伝える。伊東さんも北鷹高校の前身である鷹巣農林高校の卒業生で、伊東農園を経営し、苗木生産や造林事業なども手がけている。苗木生産技術が高く評価され、(公社)国土緑化推進機構の「森の名手・名人」に認定されているフォレスターだ。
 唐鍬を使って実技指導する伊東さんを生徒が真剣な眼差しで見つめる。
 
   
  こんな広場にサクラを植栽し、環境を整えて花見ができるようにしよう。バーベキューやボール遊びができる広場にしよう。ダム湖では、魚釣りやボート遊びができるようにしよう。夢がふくらむ。
 今年植栽するサクラは、白い花が咲くヤマザクラと赤い花が咲くエゾヤマザクラを1列ずつ交互に植えて、白と赤の花が交わる様を楽しみたいとのこと。
   
   
 早速植栽、石が混じっていてなかなかはかどらない。こんな大きな石が出てきた。唐鍬を壊さないよう刃の角を使って掘るようスタッフがアドバイス。  
   
  高校生の若いパワーはそんな障害はものともせず、黙々と唐桑を振るいていねいに植えていく。
 
   
  後輩に負けるかと、森づくり推進課の職員も頑張る。気持ちもカラダもまだまだ若い(つもり)。「先輩達頑張れ!」と取材者は声援を送る(のみ・・・?)。
   
  学校では、教室での学習や学校林での実習が中心だそうだが、先生と一緒にボランティアで森づくり活動に参加しているという頼もしい言葉が返っていた。
   
  生徒と一緒に植栽する佐藤久和先生。この学校に赴任して15年目になるそうだ。「生徒が森林ボランティア活動に参加することで、その現場に適した森づくりの方法や指導する方々の技術に触れることができ、授業では得られない貴重な学びの場となっている。また、生徒の発案で、森林所有者と一緒に、スギ人工林と広葉樹の複層林化を進める活動にも取り組んでいる。」

 北鷹高校の卒業生の多くは、公務員、製材会社、林業会社など林業関係に就業する。今年開学した「秋田林業大学校」に進んだ生徒もいる。学んだ知識を活かせる職業に進む生徒が多いということは、林学や森づくりに取り組む先生と生徒の熱意が感じられる。
 
   
  掘るのが困難だったのに、250本の苗木は正午前に全て植えられた。
 伊東毅さんはお礼を述べ、「他所で生活していても、春に咲く花を愛でに来て欲しい。森づくりや水をきれいにするとい意識を持ってもらい、自発的に活動する気持ちを常に抱いていて欲しい。」と語りかけた。
   
  実施協賛した「森吉山水の郷ネットワーク」、森吉ダム四季美湖の景観保全や水辺遊びなどを行いたいといった数々の夢があったものの、活動原資が確保できずに今年解散となり、記念にカツラを植栽した。夢の実現は、グリーンメイクの活動に引き継がれることだろう。
   
  地元の「森吉四季美湖を守る宿の会」の会員は、時折訪れては、見回りや下草刈りを実施している。昨年植栽された木々もしっかり根付いている。
 今回の植樹活動は平日ということもあって、高校生以外の参加者は予想よりも少なかった。高齢化で、こういった活動に参加する人々が少なくなったと「森吉四季美湖を守る宿の会」米澤訓世話人の談。
 
  上流側からダムを望む。景観整備を進めることで、人々が集いやすい森と水のエリアになるのではないかと感じた。地域の活動団体の方々には、息の長い活動を期待したい。