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秋田県水と緑の森づくり税活用(森林ボランティア団体活動支援事業) 

「山の森」を復元し 「海の森」を再生させよう
白神の森でブナを植樹

 
 気持ちのいい秋晴れの10月5日、白神山地の麓で開催された「ブナ植樹活動」に、八峰町民のほか県内や県外から、また東京農業大学の先生や学生など約180名の人々が集まった。
 世界遺産に登録された白神山地周辺でブナの森づくり活動を通して、白神山地世界遺産地域の保全を確実なものとし、また、ブナの森づくりを行うことによって、白神の森から良質で良好な水の供給を図り、地域のシンボルであるハタハタ等の魚類の産卵ふ化する藻場「海の森」の再生につなげるという趣旨にそって植樹を続け、今年で15回目を迎えた。

 
 実施団体  特定非営利活動法人白神ネイチャー協会
 共    催  八峰町
 後    援  イオン環境財団

 開会式
   
 あきた白神駅の向かい、「あきた白神体験センター」で開会式が行われた。
 特定非営利活動法人白神ネイチャー協会の辻正英会長は挨拶で、「皆さんの協力の下、今回で15回目を数える。これまで6,040本の木を植えてきた。今年は一人3本のブナを植樹していただく。木を3本書くと森になる。木を植えることによって、昆虫や動物が集い、豊かな生態系が生まれる。大きな森になるよう希望を持って木を植えていただきたい。」
 
 
   
 共催している加藤和夫八峰町長は、「この会は、企業の皆さんが行う植樹活動に対しても指導を行うなど、精力的に活動いただいている。八峰町には、植樹活動を行っている森林ボランティアグループがもう一つあり、この2つのグループで八峰町に多くのブナが植えられた。」と感謝の言葉が述べられ、併せて、最近開催された白神山地世界遺産登録20年を迎えて、今後の方針が検討されていることを披露した。
   
 開会式が終わり、バスに乗って植樹会場に移動。ちょうどリゾートしらかみ「くまげら」があきた白神駅へ到着。 
 
 植樹活動  
   
 植樹会場入り口、ここ「八森町字水の目 ナメトコ沢」では、2004年から植樹が行われている。そろそろ色づいてきたしらかみの森です。 
   
 植樹会場は、班毎に区割りされている。一人3本の苗木を持って植える場所へ。さぁ 森づくり開始だ! 
   
   
 唐鍬で堅い土を掘り起こし、ていねいに苗を植えていきます。小さな子どもたちは、お父さんやお母さんと一緒に植えました。 
   
   
  下刈の時に植えた苗木を伐られないように標柱を打ち込んで完成。標柱の一面をきれいに仕上げてメッセージを書けるようにしました。「大きくなあれブナの芽」とか「りっぱな木になってね」と植えた苗木に願いを込めて書いている。大人も子どもも世代を超えた植樹会だ。

   
 記念撮影に収まる子どもたち、「イオンチアーズクラブ」の皆さんです。イオンチアーズクラブは、小学校1年生から中学校3年生までの子どもたちが環境に関する様々な活動を行っていて、環境に興味を持ち、考える力を育てるとともに、集団行動を通じて社会的なルールやマナーを学んでいくクラブということです。
 お話を伺ったところ、「地域のゴミ拾いや壁新聞づくりを行っている。植樹も今年でこれが3回目」という。植樹で楽しいことは、「自分が植えた木が森になるなんて嬉しい。」と頼もしい答えが返ってきた。
 
   
   
 秋田県漁業協同組合女性部「ひより会」も駆け付け、植樹会に参加された人々にオキギスのつみれ鍋を振る舞う。植樹を終えた参加者は列を作って求める。話によると、このつみれ鍋は毎年恒例のようだ。
 
 
 オプショナルツアー留山  
 
 植樹会修了後、一部の方々が主催者側で企画した「オプショナルツアー留山」に参加。留山は、白神山地の南端、標高150mの低山帯に広がるブナを中心とした広葉樹天然林である。
 藩政時代にこの周辺の広葉樹が伐採されて、ふもとの水田の用水が不足したことから、この一帯の広葉樹を伐採しないように取り決めが行われ、今日まで約束が守られてきた森林である。
 なお、この地は、保全と環境学習の普及を両立させるため、八峰町白神ガイドの同伴での入山をお願いしている。
 
   
 数班に分かれて留山に。案内人の白神ガイドは、道々歩きながら留山の成り立ちや周辺の草木について説明してくれる。
 
   
 スギ林から分かれてぶなの森へ、木道の遊歩道を歩く。多くの木々が繁っているものの森は木漏れ日で明るい。 
   
 この事業を利用してバスを借り上げるなどして、おかげで白神にブナを植える活動が継続できている。とても助かっていると主催者からのメッセージがあった。